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1989年秋のグレイトフル・デッド〜来るべきシーンの追い風を受けながら

久しぶりに聞き直してみたのがデッドの”Nightfall Of Diamonds"
89年10月16日に行われたニュージャージー公演を収録したこの
2枚組CDは いわゆる”ボブ ウェアのバースディ ライヴ”として親し
まれてきた オープニングがウェア歌う「Picasso Moon」であること
も象徴的

この時期のデッドは復活作”In The Dark"および全米no.1に初めて!
輝いたヒット曲「Touth Of Grey」の余波もあって 観客動員数がさら
に増大していたが そんな充実したライヴ パフォーマンスの様子はこ
のアルバムからもくっきりと伝わってくる とくに初期の名演として知られ
る「Dark Star」が演目として久しぶりに復活したことも大きい

70年代前半の朴訥としたデッドが 一番好きなぼくではあるが 思わず
引き込まれるフレッシュさがこのCDにはある! 音の構造が従来の彼ら
らしいゆるやかな風合いを残しつつも ブレント ミッドランドのkbdによ
って よりカラフルな響きを得ているからだ インナースリーブから伺える
ステージもよりライトアップされたエンターティメントを(良くも悪くも)
想像させる 何だかデッドにライル メイズ(パット メセニー グループ)
が加わったようなフュージョン テイストもそこはかとなく そういえば
ガルシアのギターがより透明感を増したのも この頃からのことだった


やはり圧巻なのは「Dark Star」の11分であり  例のインプロヴァイズ大会
Jam~Drums~Spaceの約25分間だ この音の粒子が降り注いでくる
”体験”にデッドをもっとも強く感じる そして終盤はウェアのお箱「I Need
A Miracle」から再度の「Dark Star」へと続く
そして懐かしい「Attics Of My Life」や「We Bit You Goodnight」の
アカペラ コーラスが最後に歌われる頃には 誰もが幸せなデッド体験に
包まれていることだろう

思えばジャム バンドの元祖たるデッド 確かこの時期辺りから時代は再度
回って 鷹揚なインプロヴァイズ魂がPhishを筆頭とするジャム系バンドに
よって受け継がれていったはず そんな意味でも時代の追い風を受けた
デッドを体験出来る素晴らしいCDが この”Nightfall Of Diamonds"だ

by obinborn | 2010-09-26 01:49 | rock'n roll | Comments(0)  

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