ロバート・プラント〜しなやかに音楽と共振する心

ロバートプラントの新作”Band Of Joy"が素晴らしい出来映えです

元々レッドゼッペリン自体 サンディデニーを迎えた「The Battle Of
Evermore」やロイハーパーに捧げた「Hats Off To Roy Horper」
などでフォークへの関心を示し また「Black Mountain Side」や「
Kasimmier」でアラブ音楽へとアプローチするなど多彩な音楽性を
内包した知的なグループでしたが 今回のフォーク〜アメリカーナ色
へと思い切り針が振れたプラントのソロに 感慨深いものを覚える
方も少なくはないでしょう

影の主役はアメリカーナのシーンを牽引するバディ ミラーです
録音はナッシュヴィルで行われていますが ブルーグラスやカントリー
をそのまま取り上げるのではなくヒネリを加えるあたりに プラントも
恐らく共振したと思われます  

実際の音像もバリトンギターやマンドギターあるいはオクターブ マ
ンドリンなどドローン効果が出やすい楽器を織り交ぜることで低音域
を重視し ダニエルラノワのそれにも似た夢幻的な世界に誘います
プラントの声もかつてに比べると落ち着いた味わい深いものに変化し
てきただけに バディも共同制作者として現在のプラントに見合う音を
熟考したといったところでしょうか

またまたゼップ時代の話で恐縮ですが「Going To California」や
「Thats' The Way」辺りでのアコースティック ギターの開放的な響きに
魅せられた者の一人としては 今回のプラントの作品は まさに”ホー
ム アルバム”と呼びたくなるような種類のもの ことさら声高に
英米の邂逅とかルーツ回帰とか騒がなくとも  ある音楽が雑多な
背景によって成り立っていることに思いを馳せれば 実に自然な流れ
に位置する作品です そういえばかつての名曲「Rain Song」も曲の
構造自体はマウンテン チューンを思わせます(この曲をアレンジした
バディの成果も聞いてみたかったですね リハ段階で案外楽しんだ
姿は容易に想像出来ます)

そして重要なのはかつてハニードリッパーズで見せたロックンロール
やR&Bへの偏愛と今回のフォークとの両軸を プラントがしっかり持っ
ていることではないでしょうか 優れた表現者はオーディエンスとして
も開かれているといった佳きお手本(平たく言えば偏見なく様々な音
楽に触れ合っているということ)です かつて「Rock N Roll」でアール
パーマー〜リトル リチャード フリークぶりをハードロックの名演へと
昇華させたゼップですが タウンズヴァンザントからリチャードトンプ
ソン、ロス ロボスあるいは伝承歌までを取り上げた今回のマニアック
な選曲にも プラントの音楽心が満ち溢れています

間違っても”ロバート プラント、フォークの名曲を歌う”のような安易
な企画ではありませんので どうかご安心を(笑) ボブ ディランも歌っ
た伝承歌「死にかけて」は ゼップも取り上げていましたが
あの少しミステリアスな世界が 21世紀へと鮮やかな結び目を作って
いったのです

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by obinborn | 2010-09-26 17:39 | one day i walk | Comments(2)  

Commented by ミック at 2010-09-26 21:37 x
俄然興味を持ちました。是非聴いて見たいです。
それにしても小尾さん、文章上手いなぁ!
Commented by obinborn at 2010-09-26 22:08
いやあ、これはマジで傑作かもしれません 本文ではあえて触れませんでしたが
前作でのアリソンクラウスとの共演がいい刺激になったのでしょうね
その豊潤な味わいに ちょっとクラクラしています
文章ですが 未だろくに漢字も覚えられないおバカさんどす(笑)

あとミックさんのメガネへの愛着には思わず共感してしまいました
ぼくも最近流行のフレームが太く鋭角的なモデルが大嫌いなんです
やっぱぼくらはジョンレノンとガルシアの眼鏡に憧れてしまいますね!

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