邂逅と祝祭のこと〜ジェフ・マルダーとエイモス・ギャレットへ

「東京の夜空も捨てたもんじゃないね」
「東京の夜空も捨てたもんじゃないよ」
何もしゃべらなくてもいいのに何かをしゃべりたいときって
相手の言ったことを繰り返すのが楽しいんだな、って英一は思った

(宮部みゆき『小暮写眞館』より)

その英一と同じような至福のときを昨夜のジェフ&エイモス公演
(渋谷クアトロ)で噛み締めました
ロニージョンソンのように艶やかなジェフ マルダーの声と
エイモスのあのギターです エイモス曰く「私は幾つかのホーンズ、そうだね
トランペット、サキソフォン、トロンボーンといった楽器を置き換えながら
ギターを弾いているんだよ」

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エイモスのテレキャスター 最近はもっぱらこのフェンダージャパン製を
マイクを改造しながら使っているようです

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ジェフのマーティン まさに彼のシグネチャーモデルです

この二人が(少なくとも日本では)30年ぶりの邂逅を果たす
そのことの意味をきちんと受け止めようとするお客さんで会場は超満員に
主宰の麻田浩もユーモアを込めつつ感謝の言葉を聴衆に届けていきます

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開演まえにぶらぶらしていると浅野がぼくに声をかけてくれました
彼は妻と娘を連れ出して わざわざ群馬から駆け付けてくれたのです

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会場ではこんな人たちも

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西田啄 from the band " Zydeco Kicks " !!
谷口邦夫 from the band"Orange County Bros" !!

パーシー メイフィールド、ホーギー カーマイケル、ルイ ジョーダン
チャック ウィルズ、ファッツ ドミノ、ボビー チャールズそしてあの偉大な
チャック ベリー 
ジェフとエイモスが選び取り演奏していった彼らの楽曲からは 自分たちの音楽的な
バックグラウンドをすくっと見渡していこうとする柔らかな心の流れのようなものを
感じ取ることが出来ました
その樣はシドニー ベチェやビッグス バイダーベックの40年代から綿々と続く
音楽の地図を一夜にして凝縮するかのような響きも

ジェフが奏でるアコースティックの繊細なフィンガリングと
エイモスの星を散りばめていくようなフレーズの数々
その溶け合う樣は 彼らの音楽を聞いてきて良かったと思わせるに十分です
とくにエイモスのトーンコントロールの妙 ライトハンド奏法を交えつつのピッキング
ハーモニクスの効果は 何気なくありつつも全神経を集中させているありようが伺え
ます 「small town talk」「tenessie blues」「Gee Baby aint~」といったスタジオ盤でも
おなじみの名演奏をやっと生で聞くことが出来ました
そしてサント&ジョニーのインストゥルメンタル「Sleepwalk」でスティールギターの
ベンド感をテレキャスターに置き換えていくようなエイモスのプレイに息を飲みました
隣の西田とともにぼくも興奮してしまい思わず 「ワオ!」

チャック ベリーが56年に吹き込んだメキシカン ノヴェルティ「La Jaunda」は個人的に
は白眉だったなあ チャックのアルバム『One Dozen Berrys』で聞けるぞよ

第二部が始まるまえと第二部をサポートしたブラックボトムブラスバンドも”大人”の
聴衆に臆することなく元気一杯のグルーヴで巻き込んでいきます
その”動”とジェフ&エイモスの”静”が本当にうまく鮮やかなコントラストを描き出して
いきます このジョイントでは「Walking To New Orleans」や「(Let's Have A ) Natural
Ball」といった選曲が俄然生き生きと!

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こんな風に会場を練り歩きつつ BBBBのご登場!

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そして共演には いつしか中村まりも加わって まさにジェフとエイモスが切り拓いて
いった音楽を心から慈しんでいくような光景が繰り広げられていきました

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中村まりは「Tennessie Blues」「Walking To New Orleans」そしてチャック ウィルス
最高のロック曲「CCRider」を  あくまでも控えめにジェフとエイモスをサポート
する彼女の姿に好感を持たれた方も少なくないのではないでしょうか

そして中村は最高の場面でマリア マルダーの「真夜中のオアシス」を歌います
そしてエイモスのベンディングしていくギターはソロだけでなく しっかりと16に対応していく
カッティングも同時に行っていくというほとんど奇跡的なようなものでした

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聴衆たちの歓喜 無償のリスペクト

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終演後 ”百年に一度の声” 中村まりを讃えるオビン
またきみのライヴに行くからね!
(撮影:ドクター朝長)

サイン会も始まりました

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あくまでも手作りのライヴを一貫して伝えていくトムス キャビンならでは光景
忘れたくないものです
「音楽は60分のパッケージショウじゃないんだ」そんな麻田の思いが汲み取れた
夜でした その姿はビル グレアムのそれへとしっかりと像を結んでゆきます

帰りはやはりどうしても飲みたくなって「国境の南」へと
羽田野純夫が作ってくれたジントニックの美味しかったこと!

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松浦と彼の友だち
彼らとの会話も楽しかったです

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山本シラスがあとからやってきました(笑)

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山本とはかれこれもう15年くらいの付き合いかなあ〜
マジでいい奴っす(笑)

最後にもう一度

「何もしゃべらなくてもいいときに何かしゃべりたいときって 相手の言ったことを
繰り返すのが楽しいんだな」

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「真夜中のオアシス」の演奏 右端にいるのが中村まり

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if the singer is gone,
songs will remains the same

(jimmy webb)
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by obinborn | 2010-10-09 15:07 | one day i walk | Comments(8)  

Commented by ちーくん at 2010-10-09 15:31 x
花火の仕掛けも、バリライトも、大きなスクリーン映像もなく、そこにあるのはまぎれもない音楽とそれを期待する人々のみ。

声と楽器とそれらが醸し出すグルーヴ。

暖かい空気と演奏者の放つ熱気。

コンサート終了後の観衆の満足そうな笑顔。

多摩の田舎町への終電車を気にしなくて良いのなら、ご一緒に飲みたかったですよ。


Commented by obinborn at 2010-10-09 16:05
ほんとうにそうですね  視覚的な刺激とかあざといエンタメとは無縁の
場所でも 音楽は届く そんなことを鮮やかに証明したような特別な夜でした
社長とツアー運転手を兼ねる麻田浩さんの立ち位置のようなものが 何より
も雄弁にそれを物語っていますね この人はビル グレアムのような
情熱の持ち主なのでしょう 

 ち〜くん、またね!
Commented by レシーブ二郎 at 2010-10-10 11:04 x
クアトロの情景が目に浮かぶようです。
10代の終わり頃にジェフ&エイモスの音楽を知り、二人そろったライブを一度は見たいと思い続けてきました。麻田さんとトムス・キャビンに心から感謝したいと思います。なんでもジェフさん喉に負担の大きい「Please Send Me〜」は封印してきたのだとか。その封印の解いた魔法の最大のパワーは、麻田さんの「思い」だったんじゃないかと思います。
Commented by obinborn at 2010-10-10 23:06
二郎さん、コメントありがとうございます
ぼくも(意外なことに)二人でのライヴは実は今回が初めてだったのです

「Please Send Me~」もすごく良かったですね
原作者のパーシーのアルバムを急いで輸入盤屋さんに買いにいった20代
のことを ふと思い起こしました

二郎さんの詳細なルポにあらためて感謝します
一緒に今回のツアーを体験出来て良かった
ありがとう!
Commented by ガンボ山本 at 2010-10-11 15:56 x
国境の南でどーも初めまして。
僕もBlogでクアトロの事書きました。
http://blog.livedoor.jp/aurorayama/
31年前より、良かった気がします。
Commented by obinborn at 2010-10-11 15:57
ガンボ山本さん、ご訪問ありがとうございます
いやあ皆さんいい顔して飲まれていてそれもヨカッタ
CD化を目指すべく音も録音されていたようなのでそれも楽しみ!ですね
Commented by はま~ at 2010-10-11 21:38 x
オビンさん、私も聴きに行きましたがお逢いできなくて残念でした。あの大勢の人混みの中で私は埋もれていました。立ち続けるのは辛かったけれど、最高の音楽を味わうことができて、久しぶりに満ち足りた心持ちになりました。
マリさんの歌も、B.チャールズの曲も本当に心に染み込みますね。
Commented by obinborn at 2010-10-11 22:43
はま〜さん、ご訪問ありがとうございます 
おうおう〜久しぶりい〜(笑)
浅野さん夫妻からなんとなくお聞きしていましたが ぼくもお会い出来なくて
残念! でも本当に素晴らしい夜でしたね
はま〜さんがいつか回してくれたマイク・ブルームフィールド版「59番街
橋の歌」のこと しっかりと記憶に焼き付けています

また いつか

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