澄んだ水を求めて〜ジョン・レノンとニルソンのこと
少なくとも若いときは ずっとそう思っていた
見渡していく風景に何の曇りもなかった
でも大人になるにつれて
毎日がかっこいいことばかりではないことを
次第に知るようになった
ときにみっともなさを引き受けながら
ときに壊れたメガネを直しながら
ときにテーブルの下でうずくまりながら
「カッコイイばかりが人生じゃないぜよ」と
教えてくれたのは 最もカッコイイはずの
ジョン レノンだった
そして彼の飲み仲間のニルソンだった
若葉の季節に輝いていた声を失った彼は
やがて自虐的なロックをジョンとともに繰り広げていった
夏の暑い日に枯れ草のなかをぼくは歩く
そこに埋もれてなまけていた男がいた
ぼくはこう言った
「ねえ、魔法で恵みの雨を降らせてくれよ、rainmakerさん」
すると彼は言った
「うん、水があればね 澄んだ清い水があればね!」
(ジョン レノン&ハリー ニルソン「オ−ルド ダート ロード」)
by obinborn | 2010-10-17 10:08 | rock'n roll | Comments(2)
現在では「愛と平和の人」、場合によっては聖人君主みたいな扱いをもされているジョン・レノンですが、もし彼が生きていたら、こういう状況をどう思うでしょうね。手放しで喜ぶか、それとも虚像として激しく嫌悪するか。自分が聴き手としてできることは、そういう「偶像崇拝」には与せずに、虚心坦懐に彼の作品を聴いていくことですね。