かつて私は

皆さんご存じのようにJAL(日本航空)の大幅な人員整理が始まっています
あれだけ土地売買などで乱脈経営を続けながらそのツケをリストラで埋めよう
とするのですから従業員はたまったものではないでしょう

先日のパイロットの削減に続いて今回はスチュワーデス(アテンダント)に対する
自主退職の勧告です ある操縦士が「経験がものを言うパイロットを年齢が高い
順に切っていくのはいかがなものか?  」とコメントしていましたが 今回の客室
乗務員に対するリストラでも「歳を喰ったアテンダントのサーヴィスをお客さまは
喜ぶでしょうか? 」などというあからさまなハラスメントが行われているようです

見方によっては将来に伸びる人材を残すという詭弁も成り立つのでしょうが
数あるJALの組合のなかでも独立系の組合員の人数と今回会社が目標とする
リストラ要員の数は一致するようで そんな観点からも透けて見えてくるものは
少なくありません こんな状況ではこの会社の飛行機には乗りたくないと思う人が
出てきても不思議ではないでしょう 御巣鷹山の悲劇が頭をかすめます

そもそも人が人をリストラすることに関して 「じゃあ自分はどうなの? 」
という自問をするのが人の道です にもかかわらずそれをしない輩がいかに多い
ことでしょう もっとも究極的にそこら辺の問題を考えるとその人は退職するか自殺
するしかありませんので いわゆるオーディナリィ ピープル(普通の人々)は 
心に鎧をかけながら 喜怒哀楽を表に現すことなく日々を過ごしているのかもしれ
ません

ハル アシュビー監督による映画『帰郷』は ベトナムから帰還した兵士の入水自殺
でエンドロールを迎えます 故郷で自分を待っていたはずのガールフレンドを友人に
寝取られ(その男にも彼の真実があります)た果ての選択です その場面で流れてくる
のがティム バックレーの「Once I Was」だったのです  私はいつの間にか自殺も
出来ない単なるおっさんになってしまいましたが せめてこの映画やドラッグ渦で死ん
でいったティム バックレーのことは覚えていようと思っています

   ぼくはかつて兵士だった
   見知らぬ土地できみを思いながら戦闘に加わった
   
   ぼくはかつて猟師だった
   きみに新鮮な肉を届けたいと思って猟に出た

   ぼくはかつて恋人だった
   きみの瞳に何かを探しながら
   でも それはやがて嘘へとすり替わっていった

   ときどき恐れとともに ぼくは思い起こすのさ
   きみはぼくのことを覚えているのかな? と

   ティム バックレー「Once I Was」  (1967年)
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by obinborn | 2010-10-28 14:29 | one day i walk | Comments(4)  

Commented at 2010-10-28 21:42 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by obinborn at 2010-10-28 22:23
そもそも人との関係なしに人は生きられない
にもかかわらず「人を切る」というところに企業の矛盾なり苦みがあるのでしょう
それでも審判の日はいつかやってくる
自分が夜明けに見る夢 うなされる夢に苦いものが混ざっていないだろうか?  多かれ少なかれ 人というのはそれを問い 問い続ける生きものなの
だと思っています
Commented by コロッケ at 2010-10-29 06:20 x
帰郷と言う映画を見たくなりました、ティム バックレーのこのアルバムも持ってないし。
Commented by obinborn at 2010-10-29 07:06
監督:アシュビー女優:フォンダ音楽:ニッチェ&ロック多数の映画です
DVDで簡単に入手出来るのではと思います
ティム バックレーはもっと評価されるべき人なのに、、、

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