低予算ソウルの真実〜ティミ・トーマス
それを包むのはドンカマというかリズムボックスのみ、、、と
そんな恐ろしくシンプルな音空間にもかかわらず
ぐいぐいと聞き手を引き込んでいく
ティミ トーマスの『Why Can't We Live Together』(T.K)は
そんなアルバムだ
アルバム表題曲は人種問題に関する直截なメッセージ
スティーヴ ウィンウッドのカヴァーで知った方も多いことだろう
バック演奏は全編オルガンとドンカマのみで貫かれている
淡々としたクールなグルーヴだ
方法論としてはやはりスライ『暴動』の影響もあるのだと思う
それ故にヴォーカルの旨さ その表情の豊かさが染み渡る
ユージン レコードとカル ディヴィスの「The Coldest Day Of My Life」も
ティミのオリジナル曲に混ざるが このシカゴソウルがまたドンピシャでハマる!
他1曲のカバーはEwan McColl作とありますが まさか名曲「Dirty Old Town」
を書いたブリテン諸島のあの人のことだろうか? (すいません、調べていません)
先日テクノロジーとアコースティックとの関係をブルース コバーンの音楽に
見出したばかりだけれど ドンカマの無味乾燥なリズムをこんなにも陰影深い
ものにしたティミも賞賛されるべき
たとえばテクノ/ポストロック世代にもすんなり入っていける音のアトモスフィア
なのでは? そんなことも少しだけ考えてみた
オリジナル録音ではなく あえてDJリミックス版を
曲の構造みたいなものはとにかくまったく同じです
私にとって最も偉大な音楽家、ウィンウッド先生によるカヴァーも原曲に忠実
それでもホセ ネトのナイロン弦の柔らかい響きを活かし ラテンパーカッションを
あしらうところなどにウィンウッドの音楽心が溢れ出す
by obinborn | 2010-11-02 23:45 | one day i walk | Comments(2)
今回はティミ・トーマスを採り上げているので驚きました。
私も最近このアルバムを聴き込んでいたものですから。
シュコシュコいうリズムボックスとオルガンだけのバックなのに、とても熱いものを感じますね。クールな中から熱い歌声が湧き上がってくる。
繰り返して聴くほどに、このクールなサウンド作りは歌を際立たせるための手段だったのではないかと思えてしまう。
ウィンウッドがこの曲を採り上げたのも嬉しかったな。
青臭い理念を持っていることは歴史が証明しています 逆にアホな経営者
ほど長期的な展望が見渡せないという事例はそこら辺にゴロゴロしていま
す(苦笑)
それでティミ トーマスですが本当にこの”シュコシュコ”サウンドはクセにな
りますねえ(笑) ある意味テクノの先駆ともいえるわけで案外クラフトワーク
の連中とか影響を受けていたんじゃないかな、というのがぼくの見解どす
いわばクールネスと(ホットな)歌とが鮮やかなコントラストを描き出してい
るわけで こりゃクラブDJが飛びついたのも納得! 素晴らしいです