ざっくりとした実感 溢れ出すロック
サードアルバム『Golden Soul』を携えてのツアーだけに
その集中力は凄まじいほど
新作を録り終えた高揚感 そんなヴァイヴが自然に会場を満たしていく
ジンロウの不器用な歌がまっすぐに届いた
山田のギターがそれにきちんと応えた
リズム セクションの二人がどんどんビートを押し上げていった
8からの16へのアプローチにしても 彼らのそれは切なく ぎこちない
それでも伝わってくるものの大きさは
まさにロック バンドならではの ひりひりとするようなそれ
考えてみてほしい
スタジオで16に染まっているひとたちが8に戻るのとは真逆のアプローチ
その匂いのようなものがぼくを激しく惹き付けていく
そんな信頼感はラモーンズの一節を挟んだ瞬間にあった
そんな親しみはジンロウがブルーズハープを混ぜて足元を確かめた時にあった
大切なユーモアの感覚もあった
これは単に個人的な音楽体験に過ぎないが
ぼくはかつてこう書いたことがある
「ラモーンズが出て来て ぼくは再びロックが好きになった」
やんちゃでワイルドな心 幾つかの迷走と逡巡
この時代ではロック バンドであり続けること自体が とても難しい
それでもコーガンズは それを成し遂げていく
死体たちの山を超えて
墓地の沈黙から抜け出して
by obinborn | 2010-11-07 06:11 | rock'n roll | Comments(0)