12月22日
真っ先に思い起こすのが
ルー リードの『ライヴ イン イタリー』だ
83年秋の欧州ツアーからイタリアでの9月の演奏をLP2枚に収める
ギターが二人 あとはリズム隊のみのフォーピース編成で
隙間だらけの空間を織りなす樣は ある意味ロックバンドの究極かも
フェルナッド サンダーズのベースは何て自由なことだろう
ロバート クインのギターはナーバスなうねりに満ち
ルーのそれと補完し合っていく
そしてフレッド マーの役割は しっかりとしたドラムスを叩くこと
そんな意志の集積
恐ろしいまでのクールな熱気
ルーから「俺は平均的な男さ」なんて発せられる
そのことでぼくも偏見無くやっと彼の音楽に向き合うことが出来たのである
ロック音楽の死体たちにさんざん向き合ってきたぼくは
今 健康のことを考えている
健康なんかロックじゃないなんて思う勢力には加担したくない
健康でなければ 隣の奴が発する一瞬の音さえ聞き逃してしまう
お酒は大好きだけれど ドラッグの神話には騙されない
騙されまい
何故ならそれは自分の不幸と合わせ鏡のようなものだから
語彙を放棄したロックンローラーは 悲し過ぎる
ぼくはもうカート コバーンの死体を見たくはない
ぼくはもう愛すべきアレックス チルトンの死体を見たくはない
「ヘロイン」の演奏が終わると
ルー リードたち4人はまるで祈りのような「ロックンロール」を歌い始めていく
by obinborn | 2010-12-23 01:19 | rock'n roll | Comments(2)