他人を裁く者はその手がきれいでなければいけない 人を称える者はその目が澄み渡っていなければならない

ぼくが古いのかもしれませんが 喫茶店や飲み屋で会話を
しているとき 相手がケータイの画面を見始めるというのは
あまり好きになれませんし けっして感じのいいものとも思え
ません

そこらへんの感覚はあまり若い人にはないみたいで
マクドなどでもテーブルを挟んで高校生どうしが携帯を
いじっている光景は見慣れています  会話と同時に
メールやツイッターがもはや常識なのでしょうか

こうなると自分が明らかに旧世代というブルーな気持ちになって
しまいますが 必要ないことはしないというのがぼくのポリシー
あえて迎合しようとは思わないな

音楽を聞くときは音だけ 本を読むときは読むだけ
それと同じように 会話するときは会話に集中する それでいいのだ!(笑)

そういえばお店に入ったのに店主がパソコンに熱中していて私に
気がつかず 嫌〜な思いをさせられた劣悪バーがありましたけれど
これなんかまさに本末転倒です  PCを離れウォーキングでもしたら?
と茶々を入れたくなってしまいます マニアックなSSW系の音楽ばかり
聞いているとこうした偏向が出てくるのでしょうか こういう人間に限って
「ヒューマン ソングス」などと言う体裁のいい和製英語を喜んだりする
のでもう始末に負えません(苦笑)

ついでながらi-podは確実に難聴になりますし 本物の音を嗅ぎ分ける力
を次第に(ここが怖いところ)奪っていきます 便利という一方で失うものは
決して少なくはないでしょう(註1)

音楽家でも音響面に意識的な人はエンジニアやプロデューサーの感性が
デジタルを標準としてしまうことに強い危機を感じています
佐野元春さんと以前お話しさせていただいたときも 彼はダイナミックレンジ
に対する意識がない人とは一緒に仕事が出来ない といった旨のことを
話されていました(正確な引用ではないのですが そういうニュアンスでした)

ちなみに佐野さんの近作2枚は非常に音が良い(註2)です 「良い」という
基準も世代によっては微妙ですが 私にとっては少なくとも落ち着けるアナログ
ライクな音の像がくっきりと立ち上がってくるのです

携帯から劣悪バーそしてレコーディング現場へと話は飛躍してしまいましたが
がんこ親父と言われようが オビは古い!と言われようが ぼくは自分がいいと
思えることを自分のペースでやっていこうと思っています

以上 中高年養成学校課題論文のシンポジウムでした ライト オン!(笑)

嫌なこと(註3)があったら 東京ローカル・ホンクの「お手紙」を聞きましょう
そういえば「手紙」っていう時間軸も何だか懐かしく感じられます

心は軽いよ〜

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註1「失うもの」

レイモンド チャンドラーがマーロウに言わせる名セリフに
”人は何かを失わずに何かを得ることは出来ない”という警句がある
余談だが 数あるハードボイルド小説のなかでも彼が群を抜いている
のは その人間洞察の深さ故だろう スタイルを模倣する人は多いけど

註2「良い音」

いわゆるオーディオライクな意味での音の良さとはまた違う”ロックな”
音! たとえばトッド ラングレンのリミッターを振り切ってしまうような音
も片耳が聴こえないブライアン ウィルソンの音もけっしてバランスが
いい音ではないことがむしろ重要かも
グリン ジョンズが作る透明度のある音(『フーズ ネクスト』)、トム ダウド
が作るボトムが厚い音(アトランティック ソウルの数々)、ジャック ダグラ
スによるザラザラとした質感(『ロックス』『ドロウ ザ ライン』)など多くの
”いい音”にロック ファンたちは出会ってこられたと思う

註3 「嫌なこと」

近年でぼくが最も傷を負ったのは 「オビは音楽ライターをやってるけれど 
あいつはそんなに詳しくないぜ」といった風評を流されたことです 
ぼくはもう付き合い切れないなと正直思いました まさにデータ至上主義
の病です 詰め込むと大事なものが見えなくなるのに

一番大事なのは詳しさではありません そう、好きか嫌いか そのことを
自分の言葉できちんと表現出来るか出来ないかそれだけです!
そういうことが解らない人とは楽しいお酒が飲めないもんね〜

という感じでこのblogの紹介文と照らし合わせると 私の心の流れ
のようなものが感じ取れるかもしれません
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by obinborn | 2011-01-11 22:15 | rock'n roll | Comments(6)  

Commented by daruma at 2011-01-12 01:00 x
>好きか嫌いかを自分の言葉で伝える事
まさにその通り!データの正確さを競っても仕方ないですものね。
オビサンの言葉に目からウロコでした。
Commented by obinborn at 2011-01-12 07:19
darumaさん、お久しぶりです!
blogを始められたんですね ときどき拝見させていただくことに
なると思います
世間のスピードにはなかなか付いていけないのですが
これからも宜しくお願いします^0^
Commented by NOAH at 2011-01-12 09:34 x
以前、博多の老舗ライブハウスに出演させていただいた時のこと

リハーサル終了し、PA卓にあいさつに伺った際、バンドの音なんてまったく聴かずに「携帯」に夢中になっているオーナーを見て
がっかりしたことを思い出しました。

「今」を大切にすることなんですよね
Commented by obinborn at 2011-01-12 10:44
それはヒドイ話だなあ〜
”気は心”って言うじゃないですか やはりコレ(といって胸を叩く)
がないと(笑) 
ライヴハウスもロックバーも今は競合店も多く大変みたいですが
肝っ玉が座ったところ  いい空気を出しているところには自然と
人が集まってくるのだろうな と客の立場でぼくは思っています
Commented by hit2japan at 2011-01-17 15:03
 「好き/嫌い」「良い/悪い」の話なのに、いつの間にか「知ってる/知らない」「持ってる/持ってない」になってしまいそうになる事って有りますね。自戒も込めて、僕もそちらへはなるべく行かない様にしているつもりです。
 気心の知れた仲間とは笑い乍ら「正しい/正しくない」という評価軸を作りますが。「今度(去年)のロン・ウッドのアルバムは正しかったね〜」「完全に正し過ぎですな」という感じで。

人見欣幸
Commented by obinborn at 2011-01-17 17:22
やはり自分の価値基準みたいなものを日頃から培っておかないと
ウィンウッド『ナインライヴズ』のような本当の傑作が出てきた時に
言葉を伝える側の人間として弱いし負けてしまうんでしょうね

ぼくの価値基準で表現するなら「一時タイトルマンやウォルデン
とつまらないアルバムも作っちゃったけれど、トラフィック『バルレ
コーン』のような芳香とリズムのさざ波に対する飽くなき追求を
ありがとう、スティーヴ! あなたは美しいです!」とこんな感じで
しょうか いやあ、そうでなければ嘘でしょう(笑)

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