オビンの”B級街道”シリーズその10
今日はムーンライターズ(moonlighters)を取り上げましょう
ちなみに私が使う”B級”という言葉には当然ながら信用出来る奴という
意味合いが込められています
コマンダーコディ&ヒズロス プラネットエアメンの初代ギタリストだった
ビル カーチェンが新しく参加したのがムーンライターズというグループ
で 今回取り上げるのは彼らが77年にリリースしたファースト(amherst原盤)
です ジャケット デザインがあのbob cato氏なので それなりに売上げを
期待されたバンドなのかもしれません
全体的には垢抜けないカントリーロックという感じで なかにはボブ ウィリズ
直系のウェスタン スウィング「サンアントンにある我が家」のような曲もあり
ます 引っ張っていくメンバーの両軸はトニージョンソンとカーチェンといった
ところでしょうか この二人が曲ごとにヴォーカルを分担するほか 他のメンバ
ーも時としてリード ヴォーカルを取るという いい意味での民主主義が採用さ
れていることもB級度を高めています
最高なのはメンフィス ソウル的な横揺れ感をミディアム ビートのなかにまぶ
したその名も「midnight in memphis」ですが 「音楽こそ彼の人生」のような
バラードも味わい深く そこではパブ バンドならではの目線でバーやウェイトレス
の様子が一抹の寂しさとともに描かれています パブロック愛好家たちがぐっと
来る瞬間がこれかもしれません
テレキャスターの達人としてのカーチェンを期待する向きにはソロ弾きが殆ど
ないので向いていないアルバムかもしれませんが バネのあるリックを小刻み
に重ねていくリフレインが実にニクイ!のです
このアルバムを発表した彼らはやがてセカンド アルバムを録音するために
渡英します そこで大きかったのはオースティン デ ローンが新メンバーとして
参加したことかもしれません かの名グループ、Eggs Over Easyに在籍して
いた彼はエッグス時代から英国に渡り ケンティッシュ タウンにあるパブ、タリー
ホーを根城に活動(早いハナシが出稼ぎ労働です〜笑)するのですが その
70年代前半の日々に彼らと苦楽を共にしたのがブリンズレーシュウォーツで
あり ムーンライターズと同じく西海岸出身で渡英していた Cloverの連中でし
た ちなみに余談ですが Cloverのオリジナル メンバーにはジョン マクフィー
(のちにDoobie Brosへ合流)がいましたし 途中からは売れない時代のヒュー
イ ルイスが加入しています
そんな交流のなかからムーンライターズがセカンドの制作に向けて白羽の
矢を立てた人がいました
そう、その人こそが他ならぬニック ロウでした
(不定期で脱線しながら続きます)
ちなみにこのファーストはまったく売れませんでした(笑)
何も知らない中古レコード屋さんでプログレのコーナーに入れられていたのは
ジャケットのイメージからでしょうか? 思わず説教してやろうかと思いましたが
めんどくさいのでやめました(笑) でもいいレコードですしCD化もされていない
はずなので 見かけたら可愛がってくださいね^0^
by obinborn | 2011-01-23 17:29 | rock'n roll | Comments(4)
今晩の営業で久々に引っ張り出すとします^^~♪
EggsやCloverに通じるヨレ具合がいい味を出してますね
セカンドも勿論いいんですがニックさんの趣味も出ていますから
ファーストの素朴さを愛する気持ち、解ります!
確かに1作目とは質感が違いますが、Nick Loweの色合いが良い具合にブレンドされたこのテイストもまったくもって「ツボ」でした^^即愛聴レコになってます~♪
だいぶ前の記事に、失礼致しました・・・。
ケドobinさんのこの記事で、「やっぱ2nd.も探さんと~!」となったんですよね~(笑)。
ビル・カーチェン(コマンダー・コディ&ヒズ・ロスト・エアメン)
とロウの出会いもこれが最初期かもしれませんね。インポシブル・
バードのツアーの時、渋谷のクアトロでこのアルバムを差し出した
ら、カーチェン氏が嬉しそうにしていました^0^