5月15日

コーネル・デュプリーが死去した

ここ数年は空気ボンベを併用しながらのステージングだったので
悪い予感はしていたものの こうしてまたギター・ヒーローが消えて
いくのは途方もなく寂しい

けっして熱心なファンという訳ではなかった
最初に聞いたのは70年代後半 スタッフの一員として
同グループのエリック・ゲイルの流麗な引き出しとコントラストを描く
ような泥臭く朴訥なフレージングにブルーズを感じたものだ

キング・カーティスのバンド、キングピンズで本格的なキャリアを踏み出す
その頂点のような記録がフィルモア・ウェストでの『キング・カーティス』
と『アリーサ・フランクリン』だった
そして決定打だったのが『ダニー・ハサウェイ・ライヴ』
上記3枚を聞いたことがないソウル・ファンなど恐らくいないはず

ソロ・デビュー作は74年の『ティージン』
全8曲のうち何といっても秀逸なのはレイ・チャールズの「what would
i do without you?」
レイが身体をグラインドさせながらピアノで弾き語るあのマナーを
そのままギターへと置き換えていくような美味しいフレーズの連発だ
それがあまりに美しく儚い

きっと奥底にどこまでもブルーズを思っていた人なのだろう

弾き過ぎのフュージョン・ギタリストたちにはまったく食指が動かなかった私
しかしデュプリーの”タメ”や”間合い”満載のリックには何だか匂うものを感じた

この時期にはジェフ・マルダーとも共演している
やはり東海岸繋がりなのだろうか
その曲はジャッキー・ウィルソンの「ハイヤー&ハイヤー」
ここでのデュプリーのソロに心奪われた人を私は何人も知っている

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リチャード・ティーの参加にエリック・ゲイルの曲提供などプレ・スタッフ的な
要素も感じさせる74年のデュプリーだが ゲイトマウス「オーキー・ドーキー」での
一振りとってもブルーズへの思いは鮮明だ 8分を超えるデュプリーの自作曲
「plain ol'blues」に じわじわと燃え盛る炎のことを思う

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「本物のソウル音楽を白人たちに伝えたい」そんなビル・グレアムの思いが
滲み出た71年3月5、6、7日の記録
デュプリーが絞り取るようなオブリを聞かせる「make it with you」に
奇跡のような瞬間が宿っている
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by obinborn | 2011-05-15 17:49 | one day i walk | Comments(0)  

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