Ry Cooder/Into The Purple Valley (1971)

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デビュー作『ライ・クーダー』(70年)より遙かに音楽としての座りが自然になった
71年のセカンド・アルバムです

基本はエスリッジ/ケルトナー/ディキンソン/クーダーによるフォー・リズム
これでアルバム一枚をほぼ通したことが全体に奥行きを与えたのかな

曲によってミルト・ホーランドのパーカッションやジョージ・ボハノンのホーン
がアクセントを加え グロリア・ジョーンズは「money honey」
で濃厚なスワンプ・ヴォーカルを聞かせるといった僅かな塩梅だけであり
シンプリティは前作を遙かに上回るのです

伝承曲にウディ・ガスリー、レッドベリー、ジョニー・キャッシュが混ざり
さらにカリブ方面への関心をバハマ諸島のギタリスト、ジョセフ・スペンス
の曲で早くも伺わせています  スペンスのシンコペイトするギターからの
影響は ライの看板であるスライドだけでなく もっと語られていいのでは

50年代からメンフィスのサン・レコーディングスに関わっていたという
ジム・ディキンソンがワーナーの社内プロデューサーであるレニー・ワロンカー
と共同制作した意義はとても大きいと思います

事実同じキーボードで前作に参加していたヴァン・ダイクの出番はわずか
一曲のみ 水と油とはよく言ったものでしょう

けっしてソングライターとは言えないライですが
古いブルーズやバラッドあるいは初期のR&Bを通して訴えるものは
たぶん温故知新という感情だと思います

そうしたライの姿勢は彼が住むLAの成り立ちにまで溯るチカーノへの
思いとなって今もしっかりと受け継がれているのです
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by obinborn | 2011-05-17 18:24 | one day i walk | Comments(3)  

Commented by レシーブ二郎 at 2011-05-18 06:09 x
obinさん、おはようございます。
ライ・クーダー、ボトルネックもいいですけど、指弾きの部分がまた素晴らしいですね。ブラインド・ブレイクとジョセフ・スペンス。手本とした二人とも見事なシンコペイションのテクニックだし。それにしても、この盤は最高です。おっしゃるとおりディッキンソンの存在もでかいし、ケルトナー参加でますますライのプレイが乗っているように感じます。
Commented by obinborn at 2011-05-18 12:22
pvでも知られる「if walls could talk」(74年)やニック・ロウの
「rocky road」(90年)などはリズム・ギタリストとしてもライが
個性的なことが非常によく解る演奏ですね とくに後者なんて
何気にニックの歌と並走しているだけなんだけどハネの感覚
はまさにライならでは! 同時期のジョン・ハイアット・セッション
とも感覚的に似ていますね ちなみにニックの『Party Of One』
はライ、ビル・カーチェン、デイヴ・エドモンズの三人がgで参加
していますが曲ごとのパーソネルは明記されていませんでした
が名曲「whats shakin' on the hill」はカーチェンだろうな、と
思っています(ヴォリューム・コントロールがテレっぽいから)
Commented by レシーブ二郎 at 2011-05-18 21:03 x
自分も「Rocky Road」のプレイ大好きですよ。たしかにハイアットの『Bring The Family』に通じるプレイですね。再発盤におさめられた「Rocket Coast」のボトルネックも渋いです。カーチェンはImpossible Birdのツアーで見ましたが、とってもかっこよかった記憶があります。

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