5月23日

70年前後のウィルバート・ハリソンやポール・マッカートニーが妙に
愛おしい理由を自分なりに考えてみると
それが”低予算ロック”の先駆だったからなのだった

ポールはスペクターが自作バラードに弦アレンジを施すことに我慢出来ず
ウィルバートは元祖テクノのようにR&Bの「レッツ・ウォーク・トゥゲザー」を
再演していた

時は変わり80年代半ば これはメンフィスの物語
アレックス・チルトンもまた低予算ロックの寵児となりつつあった
過去の業績はともあれ
後押ししてくれたのはREMなどのカレッジ・シーンのみだったことは想像に
難くない
西や東の都市からは産業ロックがテレビを覆った

基本の相方はドラムズのダグ・ガーリソンであり
音の質感はまさにスカスカ
その力学(というか脱力)はまんまギター・スリムでありときにスリム・ハーポ
のブルーズにも似ている
むろんパンク・ロックの勇ましい伝説に関しても この人はただただ照れるだけ
なのだった

自分のしたいことだけをするという行動原理には とても困難な責務が伴う
言わずもがなのことだが それは
自分が嫌いだと思ったことは絶対にしない! という哲学と同義なのである

いや  もっと正確に言おう
陽が昇り今日が始まり 陽が暮れて今日が終わる
そのことに関してアレックス・チルトンという人はとても正直だったのではないか
とぼくは思っている

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どんなに年輪を重ねたとしても またいかに知恵を付けたとしても
この人の歌は いつだってそれを”まっさら”へと戻してゆく
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by obinborn | 2011-05-24 01:24 | rock'n roll | Comments(0)  

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