6月1日

まるでジャズのスモール・コンボのような演奏の「speak like a child」
を聞くと ティム・ハーディンというシンガー・ソングライターがいかに音楽的語彙
を持っていたかがよく解る

ブラシを用いたドラムスがそうだし 木管楽器の響きを大事にしたアレンジメント
がそうだ

何しろホンキー・トンク・スタイルのカントリー王に捧げた「tribute to hank
williams」でも この人はペダル・スティールではなくヴィヴラフォーンを使う
のだから いかにフォークやカントリーという形式から自由だったことだろうか

バート・ヤンシュもカヴァーした「if i were a carpenter」から
スモール・フェイシズが思いっきり背伸びした「red ballon」そして赤裸々な
恋愛白書とでも言うべき「ボルティモアからやってきたレディ」まで
そのどれもが20代の気まぐれな日誌であり ひどく真剣な問いでもあった

後年この人はバッドフィンガーの名曲「midnight color」を呟き
さらにはレーナード・コーエンの「電波線の鳥」を歌う

人が作った曲が自分の歌になり
自分が奏でたリリックたちが解き放たれ他人へと渡っていく

そんな関係に思いを巡らせたくなるのは
今は亡きティム・ハーディンのせいなのかもしれない

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60年代後半ヴァーヴ時代の彼のアルバムは1、2、3、4と番号をふっている
だけなので非常に素っ気なく 音楽の表情とは真逆である
ロン・セクスミスが登場してきたとき その憂いのあるヴォーカルにハーディンを
思い起こした人も少なくはないだろう
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by obinborn | 2011-06-02 00:36 | one day i walk | Comments(2)  

Commented by shallow's at 2011-06-03 13:48 x
ティムハーディン、いいっすねえ。
この人のヴィヴラートにどれだけ癒されたことだろう。
泣きの歌唱でもどこかホッとさせる希有なシンガーですよね。
Commented by obinborn at 2011-06-03 14:35
ジョン・セバスチャンsays「彼はドラッグ癖さえなければ本当に
グレイトだった、、、」やはりヴィレッジのシーンでも頭一つ抜けた
存在だったのは確かなようです ナルシスティックな作風をさらに
クスリで加速させていったキャリアを思えば何とも痛ましいです
ロン・セクスミス曰く「ティム・ハーディンは聞いたことがない!」
はたぶん反語でしょう

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