ジョセフ爺さん、街を行く

めったに風邪など引かない体質なのに 喉を痛めるは咳は出るわの日々
になってしまった 昨日も床屋できれいなお姉さん(実は子持ち)に髭を
揃えてもらっていたとき 思わず鼻水をたらしてしまった

今日も家で原稿を書いていたところ 足先が急に冷たくなるのを感じて
何だか焦ってしまい そのあとウォーキングをして何とか快復したので
した

ライ・クーダーがジョセフ・スペンスの曲「great dreams from heaven」
を取り上げたのは72年のアルバム『紫の渓谷』でのことだった
たぶんこの時点では多くの人がこのバハマのギタリスト/シンガーについ
て何も知らなかったと思う

この人の古い録音はノンサッチやアーフリーそしてエレクトラ・レーベルなど
に残っているのだが  今日ご紹介するのは80年にラウンダーから発売された
アルバム『living on the hallelujah side』 というのもこれが私にとってスペ
ンスと出会った盤だったからより親近感があるのだった  買ったのは高円寺
のdisk innという新星堂系列の輸入盤店 これまたいいレコード屋さんだっ
たなあ そんなこともいちいち覚えている

聞いた第一印象はまず「ライ・クーダーそっくりじゃん!」ということだった
以前もこのblogで触れたけどライの魅力はスライド・ギターもさることながら
シンコペイションの強いリズム・ギターにあると思う そんな意味ではジョセフ
本人にとっては「ライ・クーダーとかいう若造が俺の真似をしてるぜ!」くらい
の気持ちだったのかもしれない

ライトニン・ホプキンスの渋味と右手のアタックの強さをそのままカリブ海の
島に持ってきたといえばいいのだろうか  私はすっかりスペンスに魅せられ
てしまったのだ 

収録曲は「I'll over come someday」や「just a closer walk with thee」
など神をテーマにしたものが多く その陽性の響きはやはりライトニンとは
異なるかな? ライでお馴染みの「jesus on the mainline」もスペンスはこ
こで歌っている あるいは「サンタが街にやってくる」や「聖者の行進」に見られ
る明るさもスペンスならでは そう、何だかお金がなくても元気に行こうぜ!
みたいなタフな心持ちがこの人にはあるのだ

ちなみにライ・クーダーはこのアルバムに以下のような序文を寄せている

「ぼくは子供の頃からジョセフ・スペンスの音楽と共に歩んできました
そう、彼はぼくのギターの源のひとりだったのです でも彼が弾くベース・
ランニングをまだ全然習得出来なくて そうした意味では未だにジョセフには
混乱させられています」

今はもう故人となってしまったスペンスだが こうした晩年の録音から伝わって
くるのは 哀感というよりは気丈な姿だ ひっそりとした個人史がある日突然
陽の当たる場所へと 表通りへと繰り出していくような匂いが このアルバム
のトーンを決めている

そう、まさにジョセフ爺さんが街を闊歩していくような


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by obinborn | 2011-06-08 01:05 | one day i walk | Comments(2)  

Commented by レシーブ二郎 at 2011-06-08 06:46 x
obiさん、おはようございます。
この盤は自分も学生時代に買って愛聴しています。ライ・クーダーがジョセフ・スペンスにはじめて会ったとき、ホテルの一室で夜を徹してセッションしたというエピソードも、この盤のライナーに書いてあったんでしたっけ? それにしても、レコードを買ったお店のことをよく覚えておられますね。自分は大阪のVICか京都のジャンク・ショップか、どちらで買ったのかすっかり忘れてしまいました。
Commented by obinborn at 2011-06-08 14:12
二郎さん、こんにちは
本作のレコーディングにも立ち会ったscott billington氏のライナー
にはおっしゃる通り一晩じゅうのセッションのことが触れられています
60年代からボストンのブルーズ・ソサエティと接点があったスペンス
が ボストンのラジオ局をプロモーションで訪れていたライとたまたま
出会うことになったようです スペンスのDADGBEチューニングのこ
とや タージ・マハールがスペンスを慕ってよくナッソーに来ていた
ことも書かれていて非常に興味深い内容ですね

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