レイ・チャールズという羅針盤

伝記映画『レイ』はいささか退屈だった

むろん出自や差別に関する生々しい場面
あるいは「what'd i say」の録音に関する臨場感溢れるスケッチに
息を呑んだこともあったのだが
ぼくは3時間で人の人生の起承転結を解ろうとする自分や他人を
どうしても好きになれなかったのである

やはりまずは音からだ
絵や言葉は後から付いてくればいい

ブルーノートという音階が発明であり 起源となったように
レイのヴォーカルやピアノ・スタイルはその道の先駆となった

というかぼくの場合 サウンドスケッチ全体に溢れるレイの横ノリとか間合いが
自分がいいと思える音楽の”基準”とやがてなっていった

つまり音のない静寂のなかにこそ音楽が鳴っているのだ
そんな発見は驚きですらあった

それは悲しいという言葉を使わずに置き去りにされた気持ちや
取り残されてしまったような感情を伝えることに似ているような気がした

だからぼくはスティーヴ・ウィンウッドの「slow down、sun down」を
聞くたび いつもレイ・チャールズのことを思い起こす

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by obinborn | 2011-07-04 00:28 | one day i walk | Comments(2)  

Commented by エル・テッチ at 2011-07-05 11:33 x
0binさん、こんにちは
写真に写っているRayのRhinoのBoxは、私も同じものを持っています。
改めて同世代であるとことを感じました。
その後、もっと豪華のものが出たかもしれませんが、私はこれでいいかな、と思っています。
これは、3枚組のわりには、箱が大仰でしたね。
Boxは、どうも仕舞い込む傾向があるので、頻繁には聴かなくなってしまってます。
逆に、Atrantic時代を1枚にまとめた好編集のBest盤が出たときは、かなり欲しくなりました。
ところで、久々に映像ソフトについて触れられていますが、まもなくDr.Felgoodのドキュメンタリー映画の日本版DVDが出ますね。
私は、ブリローが他界してから、すっかりご無沙汰ですし、実はどちらかというと、ウィルコよりジッピ派なのですが、これは予約しました。
こんなことを言うと、俺は違うと言われそうですが、私は若いころのように、うるさめのロックを聴くのは少々辛くなっています。
ウィルコでは、プル・ザ・カバーでのThinkとかのプレイが特に好きです。
Commented by obinborn at 2011-07-05 12:08
エル・テッチさん、こんにちは
報告が遅くなってしまいましたがジミー・ホール&マスル・ショールズ・
リズム・コレクティヴのCDをやっと購入し愛聴しています 改めてご紹介ありがとうございました まさかこの様な形で故エディ・ヒントンの
作品集を聞けるとは思っていなかったので感動しました
レイのボックスは思い起こしたようにときどき聞き直しています
まだ独自の世界を築いていないディスク1(1952~54年)でさえ
ジャンプ・ブルーズ的な立ち位置というか出発点がよく解りますし
ジョージィ・フェイムがカバーした「it'should have been me」は
最高にカッコイイし ぐっとブルージーな「losing hand」、ロリー・
ギャラガーの熱演でも知られる「i wonder who」も粋なのでした
フィールグッズのドキュメントとはあの"石油街の機密事項”のこ
とでしょうか 私はこの映画を見逃してしまったので楽しみにして
います(サントラCDも出ていましたね) ジッピー・メイヨーは私も
好きなギタリストで『As It Happens』やBBC音源のライヴ盤など
をたまに聞きます そういえばウィルコは「メンドシーノ」も演奏して
いましたね

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