濃い目のバナナ・リキュールはどうだい?

飲み席などでよく話題になるのが 個人の音楽嗜好のことだ

つまりその人の性格が彼や彼女に似た音楽を自然と呼び寄せるのか
それとも ある種の音楽がその人に水面下で次第に影響を与えていくのか
まあ そんなことです

結論としてはたぶんその両方が正しいのだと思うけれどね

例えばぼくはかなり濃ゆ〜い音楽が好きだ

加齢とともに食生活の面では健康を意識してどんどん薄味嗜好になって
いったけれど 音楽はやはり濃厚なもの 泥臭いものに強く惹かれる

これは最初期の音楽体験がビートルズに続いてクリーデンス・クリアウォーター・
リヴァイヴァルであったことが大いに関係しているのだろう

その後のぼくはデラニー&ボニーやザ・バンドを通して南部音楽に触れつつ
次第にその源流たるブルーズやR&Bを追い求めていったのである

英国で69年に結成されたジューシー・ルーシーも そんな意味で忘れ難いグループだ

このバンドの歴史は まずアメリカ人のギタリスト、グレン・ロス・キャンベルが
どういう訳か渡英し イギリスのミュージシャンたちとセッションしたことに始まる
のちにグリース・バンドで名を馳せるニール・ハバード(g)も そこに立ち会っている
クリス・マーサー(p,kbd)はジョン・メイオール&ブルース・ブレイカーズの出身だ

そんな意味ではブリティッシュ・ロックの裏面史を覗けるようなバンドだったのかも
しれない

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これがジューシーズ 69年のファースト・アルバム(のアメリカ盤)です
いやあ〜 濃ゆ〜いです(笑)

ある種のヘヴィ・ロックの”横揺れ”感を突き詰めていくとアメリカ深南部ドロドロの
グルーヴに通じていくという典型例であり  それは解りやすく言うとジェフ・ベックが
コージーやアピスのドラムスを携えながらアメリカ南部に渡っていった方向性と似て
いる(まあアピスはアメリカ人ですけれど)

オープニングの「mississipi woman」にまず持っていかれてしまう
ボ・ディドリーの「who do you love?」はザ・ホークスのそれとタメを張るエグさだし
チャック・ベリーの数あるナンバーのなかでも完全に8ビートを確立した「nadine」
をあえて取り上げた辺りは 何やら確信犯的ですらあると思えてならないのだ
(4的な軽快さを打ち出したかったら きっと「maybellene」辺りを選んだのでは?)

このファースト・アルバムの時点ではまだポール・ウィリアムズもミッキー・ムーディも
加わっていないが 泥臭い喉を聞かせるレイ・オーエン(内ジャケでは黒人に見えて
ならない)は最高のノリを見せるし 曲によってはかのグレン・ロス・キャンベルが
ヴォーカルを取るのであった

ベーシストのキース・エリスが歌う終曲「are you satisfied?」なんかは もう
この時期のドクター・ジョンを彷彿させるヴードゥ路線であり ミシシッピ河を超えて
いきそうなくらい

ああ、たまにはドロドロの鰻や 油だらけのヒレかつを食べたいです(笑)
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by obinborn | 2011-07-06 00:39 | rock'n roll | Comments(2)  

Commented by ちーくん at 2011-07-06 22:08 x
ややっ!?

小尾さん、ついにジューシー・ルーシー本命盤で反撃ですか?

私も昨晩は小尾さんのブログに刺激されてジューシーを聴きました。Who Do You Loveも充分暑苦しいし、Lie BackではザッパのWillie The Pimpまでやっている。

ああ、暑苦しい。逆療法もまた快適なり。
Commented by obinborn at 2011-07-06 22:34
そうなんです(笑) それにしてもここまで暑苦しく、エグいバンドという
のも珍しいのでは?  Willie The Pimpも実にハマっていますね
この”濃さ”はやはりただ者ではないですよ(笑)

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