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8月1日

梅雨期の6〜7月だったが結局1日も中止することなくウォーキングをこなす
ことが出来た とにかく毎日ひたすら60〜90分間歩くのである
これを続けて14ヶ月経った

ステイプル・シンガーズというと映像的にも『ワックタックス』や『ラスト・ワルツ』
(但し後者はスタジオ・レコーディングのみ)といったイベントが焼き付いている
方も多いはず

ぼくの場合は英国のロック・グループ、ハンブル・パイが『Thunderbox』(74年)
で「ohh la de la」をカヴァーしていたのが そもそものステイプルズとの出会い
だった 同曲はむろん『ワックタックス』での熱演が有名であり シングル盤も発売
され スティーヴ・マリオットはそのヴァージョンに倣っている

当時すなわちスタックス在籍時のステイプルズを代表する名作といえば 言わずも
がな『Be Attitude:Respect Yourself』(72年)だろう

リズム録りはアラバマ州マスル・ショールズにて スタックス所属だからといってメンフィス
でMG’sをバックにレコーディングするばかりではないことを物語る作品だ
制作/編曲はアル・ベル  リミックス・エンジニアはメンフィスのアーデント・スタジオ
所属のテリー・マニングだから マスルでひとまず録音したものをマニングなりベルが
後から仕切ったはず 同時代の代表作としてマスルではポール・サイモン『There Goes
Rhymin'Simon』(73年)を アーデント吹き込みではクロッパー制作のベック『Orange』
(72年)を視界に入れておきたい マニングの登場となれば当然ビッグ・スターもだ

家長ロウバックが弾く低音ギターはステイプルズの特徴のひとつだが たとえばここで
ジミー・ジョンソンやエディ・ヒントンとどうやって弾き分けていたかは大いに気になるところ
アルバム表題にある「respect yourself」の低音リフはロウバックが もう一つの代表曲
「i'll take you there」で随所に挟み込まれるオブリはやはりヒントンもしくはピート・カーと
見るべきだろう 同曲のレゲエ・ビートのいきさつは『スタックス・レコード物語』に興味深い
記述がある そのことは過去何度か触れた通り

ジェイミ・ロビー・ロバートソンは「the weight」を書く時 インプレッションズ(カーティス)
のギター・リックとステイプルズのゴスペルを念頭に置いたという

その解りやすい翻訳が『ラスト・ワルツ』でのステイプルズの起用であったと思うが
そのような説明的な”後日談”は出来れば避けて欲しかったというのが本当のところ
同映画のスタジオ・シーンにはエミルーも出てくるが そうした図式的な白黒のコントラスト
はどう考えても筆者の好むところではあり得ないし レヴォンにも恐らく鼻持ちならないもの
と映ったはず

やや脱線してしまったが 音楽ファンたるもの映像で説明される以前に 音そのもので
バックグラウンドを汲み取りたいものである


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スタックス原盤(3002)はゲイトフォールドに歌詞が掲載されているものの
マスルのメンバー表記に関しては”マスルのリズム・セクションに感謝”とあるのみ
たとえばリマスターCDでのパーソネルは? 
AMGではピート・カーの名前はないが 先の”i'll take you there"のオブリは
ヒントンというより音色も癖もカーっぽいのだから悩ましい
カーのオブリ名演として知られるサイモン「st.Judy's comet」を聞けばそこらの
ニュアンスは伝わるはず

by obinborn | 2011-08-01 23:18 | one day i walk | Comments(2)  

Commented by Almost Prayed at 2011-08-02 19:15 x
本作の題名は“Be Altitude: Respect Yourself”、“Attitude”という単語と自分もよく間違うのですけどね(苦笑)。「高みに立て、自分自身に誇りを持て」という題名は、当時のニュー・ソウルからの影響がありありですね。

メンフィスだけではなくマッスル・ショールズでの録音を行うことなどでサウンドの幅や作風が広がったこと自体は自分は肯定的に評価するのですが、「(スタックスの人々は)自分が頼んだことをまるでやろうとはしなかった」というルーサー・イングラムの言が、わざわざ他のスタジオを利用した理由と当時の状況を象徴している感がします。

ピート・カーと言えば、やはりルーサー・イングラムの“(If Loving You Is Wrong) I Don't Want To Be Right”におけるギターが自分は印象深いです。抜き差しならない道ならぬ愛のムードというものを、見事にプレイに集約してみせたような逸品ですね。珠玉の曲“I'll Be Your Shelter (In Time Of Storm)”におけるギターもおそらくピート・カーなのでしょう。そして、あまりにも素晴らし過ぎる歌手、ルーサー・イングラム。
Commented by obinborn at 2011-08-02 20:20
すみません! まさにぼくがattitude(姿勢、態度)というアルバム表題
だと思い込んでいました(笑) そうか あくまでaltitudeなのでした

ある意味メンフィス・サウンドが崩壊していった時期だからマスルへ
のロケーションを敢行したのかもしれないですね

それにしてもピート・カーのような控えめな美意識を持ったギタリスト
は素晴らしいですね ソロ・パートよりもオブリに価値を見出すような
部分に惹かれてなりません

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