8月2日

自分なりにマスル・ショールズの音とは何だったのか? ということを
近頃振り返っています

ものすごく解りやすく言うとメンフィスのスタックス・サウンドが引き締まった
ソリッドな音だったのに対し 同じ南部でもマスルの音はもう少し柔軟であり
マイルドな印象がありました 白人ミュージシャンたちに重宝されたという事実
がそれを物語っているような

今日のお題は ボズ・スキャッグス『my time』(72年)です

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アルバムの録音はボズの地元シスコのCBSスタジオとアラバマ州シェフィールド
のマスルに約半分ずつ分かれています

面白いことにニューオーリンズR&Bのメロウ・マスター、アラン・トゥーサンの名曲
「freedom for the stallion」は何故かマスルではなくシスコ録音で しかも
制作はS&Gやローラ・ニーロでお馴染みのコロンビアのスタッフ、ロイ・ハリー
なのですから意外ですね

そんなズレ感はアル・グリーンの「old time feelin'」をマスルではなくフリスコで
ロケーションした事実からも確信犯的に? 伺い知ることができるでしょう
しかしシスコでのdsはジョージ・レインズ(ダグ・サーム・バンド)という塩梅なので
けっして浮ついているわけではありません

さて 肝心のマスル録りにハナシを持っていきましょう

本作のマスル・セッションは「dinah flo」「slowly in the west」「might have to cry」
「hello my lover」 「he's a fool for you」 そしてアルバム表題曲「my time」の
計6曲です

昨日 ステイプルズの記事でピート・カーのギターについて少し触れましたが
カーの光沢あるオブリガートをふんだんに聞けるという意味でも この『my time』
こそボズの記念碑的なアルバムだと私は思っています

ステイプルズの盤では謎だったギター・パートにしても ここではジミーとエディは
アコースティックであり ボズとカーがエレクトリック・ギターを担当したと
パーソネルに明記されています

そんなこともあって私の視界はすくっと広がっていきました
そう、ボズが借りにエレキでリズムなりアルペジオなり それなりのオブリを取った
としても ギターの主役はやはりピート・カーなのでした

ご存知の通り のちにカーはレニー・レイ・ブランクとともにルブラン&カーという
デュオを組み 彼らはヒット曲「falling」(78年の2月に全米で13位!)を送り込み
ますが その前哨戦とでも言うべき甘美な響きがここにあるのでした

『my time』で私が一番好きなトラックは何と言っても「might have to cry」です

「夕暮れ時の歌は長くは続かなかった/ぼくは自分が正しいと思っていたけれど/
間違っていたのかもしれないね/虚しさから自分の道を何とか辿ってきた/
そうやってぼくは/ときに泣き/ときに嘘を付き/ひとり静かに死に絶えていくのかも
しれない」

人生の途上での迷いをボズは結論を急ぐことなくここで言い含めています
ピート・カーとエディ・ヒントンが それぞれエレクトリックとアコースティックで 星屑の
ようなオブリを絞り出しながら この歌の主人公へとどこまでも寄り添っていきます
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by obinborn | 2011-08-02 17:40 | one day i walk | Comments(2)  

Commented by denny_Okuyama at 2011-08-04 20:43 x

小尾さん、どうも〜。このところマッスル/ピート・カーをDig ってくれて嬉しいかぎりです。
そのピート・カーでDJをやりたいんですけど、さて人は集まりますかねぇ^^。
Commented by obinborn at 2011-08-05 00:26
おお、奥山師匠! 
ピート・カーでDJ、いいですね! 人が集まるかどうかより「解ってよ、
ピートのオブリ、マスル産」(一応5/7/5になっています)の心意気
でぜひ行いたいものです
相変わらずseeseaのプロバイダーとは相性が悪く 貴logが見えたり
見えなかったり コメントしようとすると消えてしまったりするのですが
そこら辺はどうかお許しを! 
さて 私の次のお題は バリーのatco盤あたりかな〜

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