8月11日

愛するニック・ロウをビルボード東京にて

親日家でもある彼は80年代後半から頻繁に来日しているけれど
自身のバンドを携えてのステージは随分久し振りのような気がする

告知されたメンバーのうちお馴染みのスティーヴ・ドネリー(g)が来なかったのは
やや残念だったものの ニック・バンドにはもはや欠かせないゲラント・ワトキンス(kbd)
やボビー・アーウィン(ds)を引き連れてのパフォーマンスはやはり嬉しい

もうすぐ発売される新作『The Old Magic』から数曲を交えたセット・リストは
まさにオール・アバウト・ヒズ・ライティング・ソングといった塩梅で全21曲があっという
間に過ぎていく

むろん近年の枯れた味わいが核となっているだけに バンドそのものはかつての
ノイズ・トゥ・ゴーやカウボーイ・アウトフィットの頃のように弾け押しまくる質感とは違う
のだが あの曲やこの曲(むろん今の段階では公開するわけにはいきません〜笑)が
演奏されるたびに会場はパッと明るくなる 

「ああ これだよな」と周りのたくさんの笑顔たちとともにしみじみと思う

ブリンズリーズ時代があった ロックパイルがあった 血気盛んな『jesus of cool』の
頃があり むろんそこには現実に対する毒もあればロック音楽に関する自己批評もあった
それらすべてが洗い落とされた今 彼に残されていた道は果たして何だっただろうか?

きっとそれは苦みを伴った人生哲学であり ささやかな自己肯定であり  ときに模倣が
リアルになるという一握りの真実でもあるのだろう

ロック音楽は過去の遺産の連続線上にある
そんな当たり前の事実をニック・ロウは積極的に受け入れ ときにお茶目なくらいに
守護するかのようだ

白髪と眼鏡の61歳は 今日もまたおっさん風のスラックスを履き
それでも黒のコンバースで足下を決めながら 自分史にいささかのスパイスを加える

彼の道のりを思う
そのことの困難と尊さを思う
そうやってぼくたちは自分自身や世界を反芻する  

そしてニック・ロウという男はいつしか自分の合わせ鏡へとなっていくのだろう
そう 昨日のように 
明日のように

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by obinborn | 2011-08-11 21:46 | one day i walk | Comments(2)  

Commented by BROWN SUGAR at 2011-08-12 09:11 x
obinさん、お久しぶりです!
今晩大阪公演行ってきます~!!

>あの曲やこの曲が演奏されるたびに会場はパッと明るくなる 
楽しみだなぁ^^
久しぶりにGeraintセンセ拝めるのも!
Commented by obinborn at 2011-08-12 12:03
brownsugarさん、儲かってまっか〜(笑)
やはりニック・ロウは素晴らしかったです
今晩思い切り楽しんできてくださいね

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