8月21日

薄暗いバーの お日様とは無縁のような片隅に
年老いた一人の男がいた

彼の心はウィスキーと友だちなのさ
ぼろぼろになって 椅子に深く身を沈めながら

ぼくは彼の傍らへと歩いていった
驚くべきことに その老人は立ち上がり「ここに来なさい」と言った
そんなわずかの時間が ぼくには長い旅のように思えたよ

老人は言った 
「きみはまだ若くて こんな場所は初めてのようだね
迷惑かもしれないが 少しばかり私の話を聞いておくれ」

「その昔 父と子が一緒に暮らしていた でも次第にいたたまれなくなって
離ればなれになったのさ」

ぼくと老人とのわずかな時間
少しだけぼくは彼の気持ちがわかったのかな

いつの日か 太陽が差し込みますように
ぼくのために
彼のために

(ジェイムズ・テイラー「オンリー・フォー・ミー」)

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by obinborn | 2011-08-21 21:42 | one day i walk | Comments(2)  

Commented at 2011-08-25 06:53 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by obinborn at 2011-08-25 12:05
老人はある程度周りに迷惑をかけるもの。そんな風に割り切れれば
良かったのでしょうが とうようさんはそれを善しとしなかったので
しょう 死生観は人によって様々ですが いつか誰もが突き当たら
ずにはいられない重い宿題が残されました
淡々とした筆致がかえって覚悟を忍ばせていてぼくも読んでいて
怖いくらいでした

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