8月21日
年老いた一人の男がいた
彼の心はウィスキーと友だちなのさ
ぼろぼろになって 椅子に深く身を沈めながら
ぼくは彼の傍らへと歩いていった
驚くべきことに その老人は立ち上がり「ここに来なさい」と言った
そんなわずかの時間が ぼくには長い旅のように思えたよ
老人は言った
「きみはまだ若くて こんな場所は初めてのようだね
迷惑かもしれないが 少しばかり私の話を聞いておくれ」
「その昔 父と子が一緒に暮らしていた でも次第にいたたまれなくなって
離ればなれになったのさ」
ぼくと老人とのわずかな時間
少しだけぼくは彼の気持ちがわかったのかな
いつの日か 太陽が差し込みますように
ぼくのために
彼のために
(ジェイムズ・テイラー「オンリー・フォー・ミー」)
by obinborn | 2011-08-21 21:42 | one day i walk | Comments(2)