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10月4日

「エアロスミスは、私がそもそもロックンロールの何に魅せられたかを
思い出させてくれる、そんなバンドなのよ」

そう言い放つのはジョニ・ミッチェルだ ジョニの世代であれば単なる
若造バンドとして無視することも出来るところだが こうして精一杯の
賛辞を贈っているのが ジョニの心の柔らかさだと思う

それはともかく中古で購入したエアロスミスのボックスCD『パンドラの箱』
(3枚組3時間半)を一気聞きした 音源としては彼らがデビューした70年から
最初の10年間を記録したコロンビア時代 つまり最初の絶頂期を俯瞰する内容
であり レア音源の数々(アルバム未収録曲や売れない時代のラフなライヴまで)
とともに大いに楽しんだ

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やがて低迷期を経てゲフィンに移籍 そこから鮮やかな復活を遂げた彼らの
姿も確か『Just Push Play』(01年)くらいまではぼくも追いかけていた
それ以降はもう不確かになってしまって申し訳ないくらいなのだが 
勿論そこに明確な理由があるわけじゃない

ライナーノーツで大貫憲章さんが指摘されているのは エアロスミスが
「ロックンロールの生まれ育ってきたその道すじを、けっして大きく踏み
外すことなく今日まで歩み続けてきた」ということだ 

ぼくもこの意見には大賛成である  それをルーツと呼ぼうが伝統と呼ぼう
が構わないが R&Bのフィールをハード・ロック的に翻訳するというテーマ
は初期から現在まで何ひとつ変わることなく保たれているのではないだろうか
リズムもリックもファストというよりは 思いの他ミドルへと針は振れている

思えばランDMCがエアロの「Walk This Way」を援用・サンプリングしながら
自らのヒップホップの文脈へと引っ張っていったのも エアロが放つどこまでも
リズム・コンシャスな姿勢があったからこそ

ただひとつ文句を言いたいのは彼らの大振りなバラード曲! こういうナン
バーになるとぼくはやはりトラック・ボタンをすぐに切り替えてしまうのだが
その一方で真に大衆受けするにはこういう要素が必要なんだなとも感じている
何せハイウェイとバドワイザーとマクドナルドの国の音楽だからなあ〜(笑)

ロック音楽に一番大事なのは いつまでもどこまでもやんちゃな心
冒頭に挙げたジョニの発言ではないけれども
エアロはいつもぼくをハイスクールの頃へと連れ戻していくのだった

by obinborn | 2011-09-15 20:13 | rock'n roll | Comments(0)  

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