12月2日

東京ローカル・ホンクを高円寺のJIROKICHIにて

4年ぶりの新作『さよならカーゴカルト』を携えて西日本ツアーを終えた
彼らが東京に戻ってきた千秋楽の一日めであり 会場は新しいお客さんも
含め いい感じで埋まっていく

レコ発ライヴだからといって構えたり世界観を押し付けたりすることはなく
むしろ普段着の彼らのままというところが かえって信頼感を増す
ただソングライティングを担う木下弦二は この一年でかなりの逡巡をした
のではないだろうか

掌のなかや 窓の一歩外の世界をなるべく平易な言葉を重ねながら歌うのが
弦二の作法だったが この一年ではステージでのMCにさえ 迷いを滲ませる
その理由は言うまでもなく地震であり津波であり けっして戻れない世界のこと
だろう

ことさら大きなことをもっともらしい言葉で歌ってもしょうがない
たとえば小さな者たちや形にならないものを見つめた「目と手」はどうだろう
不条理な波の数々に呑み込まれていった人々を思う時 その歌はまた異なる
世界を映し出していく
彼自身が ホンクメンが そしてぼくたちが その目と手を揺さぶられていく

すぐそこにあったはずの目と手が ある日突然引き裂かれていく
手を伸ばした先の温もりが ある日を境に音も立てずに消えていく
直接的であれ間接的であれ 好むと好まざると そうした体験を経たあとの
「目と手」はこうした背景を携えながら切迫してくるし
この日のクライマックスとなった「昼休み」にしても
そこで描写されている人々の息遣いが まるで黙示録のように響いたりもする

オープニングに選ばれたホンク流サウダージ「冬眠」から
最後に歌われたアカペラ曲「サンダル鳴らしの名人」までのそれぞれの曲が
ひとつの大きな流れのなかで ふと立ち止まった岸辺のように聞こえる
そんな作法を持った音楽は そうめったに聞けるものではないだろう

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弦二のシグネチャーとなるセミアコ この日は弦が切れ長尺インプロヴィゼー
ション曲「カミナリ」を急遽テレキャスで乗り切るというハプニングも
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by obinborn | 2011-12-03 07:30 | one day i walk | Comments(0)  

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