12月23日

ブリンズリーズは英国の大好きなバンドだけれど
ぼくが20代の頃レコードを探すのに随分苦労したグループでもあった

あれは神保町にあったロック・ワークショップ(同店はその後高田馬場に
移転した)だったろうか 彼らの4作め『Nurvous On The Road』(72年)
を最初に見つけたのは

ただしこれは米リバティ盤であり 彼らの前作『Silver Pistol』とともに
確か2曲ほどUK盤に比べて曲数が少ない内容だったのだが それでも当時
は嬉しく この煤けたロンドンの曇り空のような音楽を聞いて ささくれた
感情や焦燥を掌に収めたものだった

ニック・ロウにとってはソングライターとしての修行期であり きっと
若き日の引っかき傷のような思い出が詰まったグループでもあったのだろう
やはりブリンズリーズならではのユルさやアメリカ音楽への憧憬そして
アマチュア・ライクな音楽への信頼が全編に貫かれている

その匂いは今となっては奇跡のように思えてならない
カヴァーはクリス・ケナーのニューオーリンズR&B「I LIke It Like That」と
ロニー・セルフのロカビリー「Home In My Hand」の2曲であり
オリジナルでは前作からバンドに合流したイアン・ゴムが1曲
あとは全部ニック・ロウが手掛けている(1曲はボブ・アンドリュースとの
共作)

同時代の英国ではオイリー・ラグズやアンドウェラにも通じるザ・バンド大好き
症候群〜アーシーな味わいが漂っているのだが 本格的に成り切れない
脇の甘さやほっこりとした情感に むしろ親しみを覚える
今の時代だったら 商業レベルで契約さえ断られてしまうバンドもしれない

ブリンズリーの名前を最初に意識したのは江古田のクランだったろうか
渋谷のブラックホークだったろうか 今はなき音楽評論家の会田裕之さんが
ブラックホーク・ニュースという紙刷で彼らのことを書かれていたことは
今でもはっきり覚えている

たとえば はちみつぱいのことを誰もムーンライダーズの前身バンドとは呼ばな
いように ぼくもブリンズリーズをニック・ロウが在籍していたグループとは
言いたくはない
そんな愛すべきバンドだった

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録音は72年の3〜4月にウェールズのロックフィールド・スタジオで行われた
エンジニア欄に同スタジオのキングスレイ・ワードの名前があるように
デイヴ・エドモンズ人脈も濃厚であり のちの交流を仄めかせる
UK原盤はUnited Artists UAS29374 なお当時の日本盤には『大通りの臆病者』
なる邦題が付けられていた
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by obinborn | 2011-12-23 18:22 | one day i walk | Comments(0)  

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