3月21日

そうかあ〜、他人が書いた曲も自分の歌になり得る、みたいな視点で
いろいろ考えていくとちょっと感慨深くなってしまう。

思えばディランのファースト・アルバムが、ストーンズのデビュー作が
どうだったかを思い起こしてみれば、音楽を巡る連鎖について考えざる
を得ない。ザ・バーズにしても然り。

その人のルーツとまでかしこまったりする必要はないけれど、
きっと、他人の曲が自分を映し出すといったような動機になったはず。
何しろストーンズ64年のデビュー・アルバムはボビー・トゥループの
「ルート66」(恐らくチャック・ベリーのヴァージョンを参考にした)
で始まっていたからね。

英国のシンガー・ソングライター、ラルフ・マクテルは60年代から活躍
している大物(彼の「Street Of London」はあまりに有名)だけど、彼
が76年に発表した『Right Side Up』(英Warner Bros.)では一曲めに、
トム・ウェイツの「San Diego Serenade」が収録されている。

「一晩中起きていてやっと朝が解った。電球を点けてみてやっと太陽に
気がついた。長いこと離れていて初めて故郷があることを知った。歌が
必要になって初めてメロディを覚えた」

そんな倒置法というかNever~Tillのセンテンスが延々と続いていく歌だが、
ぼくはこの曲を聞いて、ラルフ・マクテルのことが少しだけ解ったような
気がした。

やっと知ることの諦観とかすかな喜び。喪失とわずかな再生。
こんな歌はそうめったにあるものじゃない。

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by obinborn | 2012-03-22 19:10 | one day i walk | Comments(0)  

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