語られてきたことすべてが、今そこに。
左からチャールズ・ラーキー、クーチ、そしてキャロル・キング。
東海岸出身の彼らが初めて西海岸の空気に触れながら作った、68年のアルバムだ。
職業的作曲家からシンガー・ソングライターへ。
キングのキャリアにとってはそんな時代に向き合っていく橋渡し的な作品でもあるが、
けっして巧くはないソバカス声が、手探りのなかでむしろ多くのことを語りかけてくる。
『たんぽぽのお酒』を読み返すように、投函されなかった手紙をしたため直すように、
人々はやや顔を赤らめつつも「雪の女王」や「私は従うために生まれてきたわけじゃない」
を聞きながら、封印された昨日の自画像を今日も発見することだろう。
by obinborn | 2012-05-19 01:41 | one day i walk | Comments(2)