Back Street Confidential〜裏街道の機密事項

顔見せ的なゲスト・アルバムの氾濫に食傷気味のアナタにもお薦め出来る
のが、ジェリー・リー・ルイス73年の渡英セッション『In London』だ。

かくいう私も昔中古屋で勝手にジョ・ジョ・ゼップのアルバムと誤解して
しまい、みすみす聞く機会を逃してしまったのだが、その後新宿ユニオンの
所詮投げ売りの床下ダンボール〜3枚で1,000円コーナーにて無事救出した
次第なのだった。

リズム隊がチャス・ホッジズとケニー・ジョーンズという豪華だか裏街道だ
か微妙な組み合わせにニンマリされた方は、大正解。ルイス自身が50年代
の威風堂々ぶりとはまた違う、もう少し余裕を持った音楽との接し方をして
いることもあって、この半分パブ・ロック的なヨレヨレ感溢れるリズム隊と
やさぐれた笑みを交わしている。

ギターで大きく貢献しているのはロリー・ギャラガーとアルバート・リー
だろう。とくにロリーのボトルネック奏法によるアーシーな味付けは、「ルイス
はサン時代だけでいいんじゃね?」(語尾上げ)的なイメージとは裏腹の
もう少しだけポンコツ・ロック的な心情と触れ合うようだ。

なかにはデラニー・ブラムレットやクラウス・フォアマンが参加していたり、
選曲にゴードン・ライトフット「Early Morning Rain」(これがなかなかの出来)
が何故か混ざるといった意外性もありながら、全体としては「オイラ、本国じゃ
落ちぶれたスターだけど、ヨーロッパじゃまだまだ威張れるもんね〜」的な
憎めない虚栄心が、「ジェリーさん、あなたと一緒に演奏出来て光栄です」といっ
た後続者たちのリスペクトの気持ちと微妙に混ざり合って、なかなか得難い人間臭さ
を快活なピアノ・ロールとともに醸し出す。

とくに当時全盛期を迎えつつあったロリーのせっかちなギターは、すぐにそれと
解るもの。たとえ相方がアルヴィン・リーやアルバート・リーだったとしても、
ロリーの骨っぽいフレーズが随所から飛び出してくるのが嬉しい。そのことだけでも
この忘れられがちな記録(もしくは親善試合)に感謝したい。

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by obinborn | 2012-05-08 13:16 | rock'n roll | Comments(0)  

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