チエちゃんと会った
と歌っていた。NRBQの楽曲を日本人のアー
ティストやバンドが演奏したトリビュート・
アルバムでのことだった。Qの曲の原題は
「I Love Her, She Loves Me」だから、男と
女の立場を入れ替えて歌い直しただけなのだ
が、そのシンプルさがぼくの心を打った。
その主人公はホット・ショッツのソングラ
イター/ヴォーカリストのチエちゃんだった。
そのバンドを初めて観たのはもう6、7年ま
えだったか、原宿のクロコダイルで行われた
NRBQのライヴでのことだったが、音数の少
ないすっきりした演奏とともに、彼女の歌が
すんなりと届いたことを今でもよく覚えてい
る。
そんなチエちゃんと昨日高円寺でバッタリ
と再会した。といってもぼくが彼女と初めて
言葉を交わしたのは実はまだ一年くらいまえ
の時なので、あまり偉そうなことは言えない
のだが、それでも「そんな、敬語なんて使わ
ないでください!」と屈託なく微笑むチエち
ゃんをまえに心が晴れた。
NRBQのテリー・アダムズに気に入られて
デビューしたというホット・ショッツの枕詞
はもう必要ないだろう。瑞々しいスウィング
感溢れる演奏はそれ自体が価値あるものなの
だから。
何でも現在は新しいアルバムのためにレコ
ーディングの真っ最中とか。予算からレーベ
ルのことまで見渡しつつ、先行投資はいつか
きっと自分に返ってくる、ときっぱりと語っ
てくれたチエちゃん。彼女とホット・ショッ
ツの未来をぼくもそっと見守りたい。
(高円寺のパブにて。写真撮影はザディコキックスの中林由武氏)
by obinborn | 2012-10-28 13:25 | one day i walk | Comments(0)