走り書きのロック。
を歌いたい。ぼくはペンを持ち、走り書
きをする。内なる怒りにユーモアを込め
るのさ。いつか寒い冬、ぼくたちは南部
に行った。親父が使っていたタイプライ
ターには歳月が染み込んでいる。でもぼ
くはオンタリオ出身。オンタリオ生まれ。
そう、オンタリオに生まれたんだ」
そんなセカンド・ヴァースも軽快な
「Born In Ontario」を、カナダはオンタ
リオ出身のニール・ヤングが歌っている。
かつて「Helpless」の冒頭でも描写され
たことがあるオンタリオの町だが、今な
おニールの故郷であることに変わりない。
ニール・ヤング&クレイジー・ホース
の新作『サイケデリック妙薬 Psychede
llic Pill』を聞いた。すざまじいまでの
轟音ロックが全編から溢れ出てくる。そ
の旅がクレイジー・ホースとの初めての
手合わせとなった71年の『Everybody
Knows This Is Nowhere』から続いて
いるのだから、ちょっと感動的だ。む
ろん嵐の日もあったし、なだらかな丘
陵を見渡せた日もあった。ナイーヴ過
ぎた戦死者さえ、このクレイジー・ホ
ースは過去に抱えたままだ。
止まることのない創作意欲は、きっ
とニール・ヤングという人が現状に満
足していないからだろう。多少の出来
不出来など気にしない。それこそ走り
書きのような曲であっても、彼はその
日その時の気持ちに従ったままレコー
ディングする。喜怒哀楽や心の振幅の
激しさに対して、普通の大人は目を閉
じたり、なかったことにしようと平然
に振る舞う。ニール・ヤングはその真
逆だ。だからこそ彼の歌はいつもリア
ルに届く。
「Twisted Road」には”初めてライク・
ア・ローリング・ストーンを聞いた時、
俺は魔法にかかってしまい、その気持
ちのまま家に帰った”という歌詞が歌い
込まれている。
by obinborn | 2012-11-13 11:19 | rock'n roll | Comments(3)
最新作です。本日twitterで書いたように、個人的には”へたっぴいな”
クレイジー・ホースと今なお一緒に共同作業をしているところに一番惹かれます。ああこの人はロック音楽の核心をちゃんと解っているんだな、
って。ラルフ・モリーナの”へたっぴい”ドラムに本当に大事なものを
感じます。