Squeezebox Night

 毎年の恒例行事となるSqueezebox Night
も今秋で第6回目となるが、やはりこのイベ
ントには特別なマジックが幾つか宿るようだ。
東京のザディコキックスに大阪のコンフントJ
と、東西を代表するバンドによるルイジアナ
〜テキサス〜メキシコ音楽の祭典は今回もま
た満員御礼であり熱気に包まれた。方やバン
ド名が指し示すようにザディコを、もう一方
はテックス・メックスをリアルに演奏するグ
ループなのだが、目黒のリトル・テキサスで
催された今夜(24日)ほどこの二組を誇らし
く思ったことはない。

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 普段から自分なりにライヴへと通い、聞き
慣れているはずのザディコキックスにしても、
この夜は序盤から飛ばしまくる。その姿は単
にステージ慣れしているという次元ではなく、
お客さんからの波動をきちんと受けとめなが
ら、気の利いた転調や際立つブレイクダウン
など当意即妙な演奏で投げ返していくものだ
った。とくに最近キックスが新たに演奏し始
めたトゥーツ&ザ・メイタルズの「Monkey
Man」の裏拍を強調したビートや男女混声の
コーラスが行きつ戻りつつメリハリを付けて
いく光景は感動的だった。かと思えばケイジ
ャン古典の「Jole' Blon'」やジョー・リギン
ズのジャンプ・サウンドやエイモス・ミルバ
ーンのピアノ・ブギで知られる「Bad Bad
Whiskey」を自然とザディコ音楽のなかに組
み込ませるなど、フレキシブルな咀嚼を見せ
る。加えて西田琢のギターがいつもよりも長
くソロ・フレーズを繰り出すなど、生き物と
しての音楽の姿をしっかりと証明していくの
だから頼もしい。終盤に奏でられたバディ・
ホリー「Oh! Boy」に似せた曲では諸星聖臣
のドラム・ロールがとくに決まっていた。

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 対バンであり、また仲の良い親戚付合いを
感じさせるコンフントJでスタートした第二
部の頃にはフロアで踊り出す人も増え、一瞬
サンアントニオのジューク・ジョイントに居
合わせているような錯覚に陥る。コンフント
Jを私が観るのは今回が2度めなのだが、バ
ホ・セスト(低音部を強調した複弦式ギター)
やボタン式アコーディオンをメインに据えて
堂々と本格的にノルテーニャ(メキシコ北部)
の音楽を響かせる姿に惚れ惚れとしてしまっ
た。リーダーと思しきオノリオはMCで同じ
ような曲ばっかりです、との旨を語りながら
笑いを取っていたが、細かく聞いていけばポ
ルカ、ランチェラ、ボレーロなど様々なパタ
ーンを応用したものだ。とくにロス・ロボス
ですっかりおなじみになった哀愁のボレーロ
「Volver, Volver」の情感豊かな演奏には思
わず胸が熱くなるほど。またこの日の特別ゲ
ストとしてはNacomitaが迎え入れられ、会場
はいつしか興奮状態へと突入していった。

 最後にはザディコキックスとコンフントJ
そしてNacomitaが合流したセッションが実
現!定番の「La Bamba」でもやるのかなと
思いきや、何と選ばれたのは「Alabama Ju
bilee」だった。ケンタッキー・カーネルズ
を始め主にブルーグラスのシーンで親しまれ
てきた曲だが、何とテックス・メックスへと
大胆に改変された演奏がどこまでも鮮やかに
この夜を彩っていったのだった。

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by obinborn | 2012-11-25 08:50 | one day i walk | Comments(0)  

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