Open The Door To Your Heart

大好評のアトランティックR&B1,000円シリーズ
だが、私が真っ先に購入したのがタミー・リンと
このダレル・バンクスだった。とくにバンクスの
場合、LP時代に同じような廉価盤で出たワーナー
・パイオニア盤を買い逃してしまった苦い経験が
あるだけに、今回は即反応させて頂いた。

裏ジャケットのライナーノーツをニューヨークは
WLIB局のジャック・ウォーカーが書いていること
からも察せられるように、本作の録音はデトロイ
トとN.Yの二カ所。というかバンクスがレヴィロ
ットとアトコに吹き込んだシングル盤をまとめた
のがこの『ダレル・バンクス・イズ・ヒア!』(
67年)なのだが、ここには真にノーザン・ソウル
の粋が溢れ返っている。

ソングライター陣にガーネット・シムズやテリー・
ランザオ、あるいはパーラメンツ(のちのパーラ
メント)のジョージ・クリントンやモータウンの
ヘンリー・コスビーが参加している点からもその
ノーザン度が伺えるだろうし、バンクスがのちに
ドン・ディヴィスのプロデュースを仰いだことに
も頷く部分は少なくない。

やはり代表曲は全米チャートで27位(R&B部門
では2位)に輝いた「Open The Door ToYour
Heart」だろうか。モータウン〜デトロイト・ラ
イクなボトムのしっかりしたサウンド、よく弾む
ビートに乗ったバンクスの骨っぽいヴォーカルが
「これぞノーザン!」といった気風の良さを伝え
ていく。あるいは「Angel Baby(Don't You Ever
Leave Me)」での頭打ちのスネアはどうだろう?
それは私にスティーヴィ・ワンダー「Uptight(E
verything's Allright」(66年に全米3位!)と同
じ鼓動や生命力を感じさせる。

シングル盤の寄せ集め集とはいえ、本作にはソウ
ル・ミュージックがこれから新しい時代に向けて
大きく羽ばたいていこうとするような勢いで一杯
だ。それはモータウン・サウンドの明るさや覇気
にも似て、これから始まる季節への予感に満ちた
ものだった。まるで陽射しに溢れた土地へと思い
を繋いでいくような「Our Love(Is In The Pocke
t)」でのダレル・バンクスの歌を耳にすると、そ
んなことを思わずにはいられない。

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by obinborn | 2012-11-29 18:19 | one day i walk | Comments(0)  

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