1978年のリンダ
The USA』(アメリカ暮らし)は、ローラー
・スケートを履いた彼女を写した表ジャケよ
りも、ぼくは俄然バック・メンバーとともに
あるゲイトフォールドのほうが好き。
チャック・ベリーで始まりエルヴィスでクロ
ーズする全10曲。そのどれもが古き佳きアメ
リカへのオマージュとなっている。スモーキ
ー・ロビンソン&ザ・ミラクルズの切ないモ
ータウン曲に、ウォーレン・ジヴォンの夜通
しモハメッドのラジオを聞く歌が混ざってい
く辺りも見事としかいいようがない。
アルバムには当時デビューしたばかりだった、
もう一人のエルヴィス・ナンバーも。その歌
にはこんなリリックがある。
「アリソン、この世界はきみを撃ち殺してし
まうかもしれないよ」
by obinborn | 2012-12-13 20:44 | rock'n roll | Comments(2)
思えば英国のピータ&ゴードンの片割れが渡米し、JTやリンダを第一線へと仕立てていくということ自体が音楽的な折衷〜自然なミクスチャーです
ものね!そこにアート・ディレクション面でもかのKOSH(初期作は『レット・イット・ビー』など)が合流しているのですから凄い。そうした舞台
設定の総決算がこの『アメリカ暮らし Living In The USA』なのではと思っ
たり。
質感では前作『夢はひとつだけ Simple Dreams』(77年)の音数を絞り込んだフォーク〜カントリー的なサウンドのほうが馴染んだりするのですが、同じアッシャー〜ヴァル・ガレー・チームがLAのサウンド・ファクトリー・スタジオで臨んだ成果として、『USA』アルバムはエポックだったと
いう気がします。その後ご存知のようにリンダはアリゾナ生まれのメキシコ系人として次第にルーツへと立ち返っていくのですが、そんな歩みもまたドラマだな〜としんみりと感じ入ったりするのです。
70年代当時メインストリームだったこのようなアルバム。自分でも馴染んでいるはずなのですが、こうして今現在振り返ってみるとまた新たな発見
があって楽しいです!