Stories We Could Tell

通称”ブラウン・アルバム”と呼ばれ親しまれて
きた『The Band』。ぼくが最初に買ったのは
東芝EMIの廉価版1500円シリーズのLPだった。
せっかくのゲイトフォールドがシングル・ジャ
ケットに省略されていたのが、音楽とはまた別
の部分で悲しかった。

オリジナル盤へのこだわり、みたいな意識が少
しずつ芽生えてきたのはそんなきっかけがあっ
たからだと思う。むろんすべてのアルバムをor
igで揃えているわけじゃないけれど、好きな音
楽家の愛すべきアルバムを出来るだけ原盤のい
い音で持っていたいとか、複数枚持っていたい
とかいう気持ちはコレクター諸氏に共通するの
ではないだろうか。

というわけでカミさんの実家から”ブラウン・
アルバム”の英国オリジナル(Capitol E-ST132)
が出て来たのにはびっくり! あの人は音楽は
好きでもいわゆるコレクターではないから、き
っと付き合い始めた頃、ぼくが彼女に貸しっぱ
なしにしていたまま、およそ四半世紀も眠り続
けていたものなのだろうな。

長年音楽を聞いていると、そんな忘れかけてい
たエピソードに気が付く時がある。約25年間も
針を降ろされることのなかったLP版をじっくり
と噛み締めながら聞き直す。もう何千回と聞い
てきたアルバムだけど、「Look Out Clevelan
d」が終わると「Jawbone」が流れ始め、「不
貞な召使い」が終わると農夫の祈り「King Ha
rvest」が始まるといったアルバムの流れは感
動的だ。他の曲にしても互いのストーリーが連
鎖し合いながら、市井の人々、名もない人たち
(年老いた船乗り、安酒場のママ、南北戦争に
翻弄された家族など)の表情を生き活きと伝え
ている。

音楽にザ・バンドが込めた物語性はむろんのこ
と、昔自分が購入したLPと思わぬ形で再会する
という、もうひとつのストーリーもまた一枚の
レコードは時の流れを超えて運び込んでくる。

そんなことに気が付く新年も悪くないね。

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by obinborn | 2013-01-03 11:39 | one day i walk | Comments(0)  

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