Lowdown、Smiley

ニューオーリンズのスマイリー・ルイスは大好き
なシンガーの一人だ。50年代ならではの豪華な大
編成バンドを従えたジャンプR&Bサウンドのなか
で、ロウ・ダウン感覚というかブルージーな味わ
いを濃密に醸し出すところなど、他の追随を許さ
ないほどに、かの地の喧噪や侘しさを映し出して
いくから。

日本のファンを圧倒した『I Hear You Knockin'』
(東芝LLS-70075)を手がかりとして、ぼくも英
UA盤の2種、仏パテ・マルコニ盤、ブートもどき
の英B&C盤、果てはデンマークのofficial盤などで
スマイリーのブルーズに惹かれていったことを懐
かしく思い起こした。

そんな愛すべきスマイリーだが、先日購入した彼
の7's「Slide Me Down b/w Growing Old」(Im
perial 5072)がAB面の逆表記になっていることに
気が付くにはそう時間が掛からなかった。

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というのも「Slide Me Down」といえば思い起こす
のは『Urban Blues vol.2 ~New Orleans Bounce』
(Imperial LM94004)というコンピレーション・ア
ルバムに収録されていたから。キャンド・ヒートの
ボブ・ハイトがプロダクト・コーディネイターとな
り、ブルーズ評論家のピート・ウェルディングがラ
イナーノーツを書いたこの盤に親しんだアナログ時
代のブルーズ愛好者も少なくないだろう。この曲に
関してはオルタネイト・テイクが聞けるB&C盤でも
確認したから、プレスミスもしくは”逆表記”はもう
決定的なものとなった(それでもシングル盤の入手
はむろん嬉しい!)。

どこかギター・スリムのスロー・ブルーズを彷彿さ
せる「Slide Me Down」は、その歌詞にもタイトル
が歌い込まれているが、デイヴ・バーソロミューの
抑制されたトランペットと併走しながら何とも気怠
く歌うスマイリーには、あたかも夜の裏街道を彷徨
うギャンブラーのような見栄と孤独がないまぜにな
っている。

ニューオーリンズR&Bといっても時代によってさま
ざまなタイプがあるけれど、ダウンホームな感覚が
丸出しになったスマイリー・ルイスのそれは、ぼく
にとっては幻の故郷のようなもの。たった1枚のシ
ングル盤を購入しただけで、実に多くのことが蘇っ
てきた。

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by obinborn | 2013-01-11 19:29 | blues with me | Comments(0)  

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