Soul Shots !

 先日、山下達郎氏の『サンディ・ソングブック』を聞い
ていたら、ヒュー・マサケラの「Grazing In The Grass」
がかかって驚いた。というのもこの曲にしても、彼の妻で
あるミリアム・マケバの「Pata Pata」にしても、ぼくは
最近になってようやくそれぞれの7'sを入手したところであ
り、そのタイミングが(個人的に)絶妙だったから。

 マサケラとマケバはそれぞれに、南アフリカ共和国出身
のトランペッターであり歌手だが、「Grazing」は68年の
6月に全米チャートで堂々の第1位、「Pata Pata」は前年
の67年の10月に12位にまで登り詰めた。まだワールド・
ミュージックなんていう言葉がなかった60年代後半にこう
した動きがあったことは、例えばニューポート・フォーク
・フェスにハムザ・エル・ディーンが招かれたことと併せ
て記憶しておきたい。ちなみにハムザはご存知の通り、70
年代の後半にグレイトフル・デッドとの共演を果たしてい
る。

 ぼくが件の「Grazing」を最初に聞いたのは米ライノ
・レコーズが編纂した『Soul Shots』のシリーズにて。
R&B〜ソウル・ミュージック数多の名曲を”Dance"や”Ball
ad”,あるいは筆者のツボのところでは”BlueEyed Soul"とい
ったテーマ別にコンパイルしたこれらのシリーズには、本
当にお世話になった。ぼくにとってはレアなR&Bの数々が
60年代当時は普通にヒット・チャートを賑わせていたとい
う圧倒的な事実。これには目も眩む思いがしたものだ。

 マサケラやマケバのアフリカ音楽がR&Bとして全米に流
れていたという事実は、ぼくに改めてアフロ=アメリカン
という壮大な歴史を思い起こさせてくれたし、そんな素敵
な音源を届けてくれた80年代後半、つまり創世記のライノ
・レコーズの野心や志の高さに改めて敬意を表したいと思
う。

 それはともかく、いい曲ばっかり!のこうした編集アル
バムを聞くのはまさに至福の瞬間だ。レアなアルバムだけ
が価値あるものではない。こうした”掘り起こし”こそが次
の世代の音楽ファンを生み、育てていくのだと信じたい。

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by obinborn | 2013-02-02 20:12 | one day i walk | Comments(0)  

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