航行日誌:1966〜1976

ジェファソン・エアプレインのベスト・アルバム『航行
日誌(Flight Log)1966〜1976』を、ホット・ツナの原
稿のこともあって久し振りに聞いた。

懐かしい、懐かし過ぎる。とは言ってもぼくの場合は高
2の時にドンピシャで初めて聞いたのがエアプレイン改
めスターシップになってからの『レッド・オクトパス』
(75年)だったのであまり偉そうなことは言えないのだ
が、スターシップが産業ロック化するのはもう少し後に
なってから。『レッド・オクトパス』や76年の『星船』
辺りはまだまだ、ごく自然なシスコ・ロックだったよう
な印象が残っている。

そんな個人的な音楽体験はともかく、エアプレインの良
さもむろんある。やはりコウコネンのギターやキャサデ
ィのベースが飛び抜けているといった感想があるし、コ
ーラス・ワークひとつ取っても、きっちり3度や5度で
合わせるのではなく、ユニゾンでいい加減?にハモると
ころなどに、シスコ・ロックならではの大らかさを感じ
たものだった。

デヴィッド・クロスビーと親交し、彼の「木の舟(W
ooden Ships)」を取り上げたのもエアプレインだった。
「ぼくたちは木の舟に乗って、この汚染された地球を
出てゆく」といった歌詞は、かつてのヒッピーそのも
の。そんなユートピア志向〜選民思想が今のぼくには
稚拙に映ってしまうけれど、むろんこれは後付けのよ
うな説明なのかもしれない。

最初の懐疑が示されたのが、ジャクソン・ブラウンの
「フォー・エヴリマン」(73年)だった。彼は暗に「
木の舟」を仄めかしながらこう歌っていた。「ぼくは
普通の人々とともに暮らしたい」と。それは奇しくも
ぼくがJ.Dサリンジャーの「フラニーとゾーイ」を読ん
でいた青年時代と重なり合っていった。

兄のゾーイが壊れそうな妹のフラニーを諭す最終行が
忘れられない。それはぼく自身の物語として、そっと
胸にしまっておきたい。

e0199046_048155.jpg

[PR]

by obinborn | 2013-02-03 00:50 | rock'n roll | Comments(0)  

<< 私鉄ローカル、東長崎の巻 Soul Shots ! >>