1967年のブライアン
そう、言わずと知れたストーンズの『サタニック・マジェ
スティーズ』(67年)ですな。
どこまでもブラック・ミュージックの要素を彼らに求める
人たちにはいつも分の悪い、評価が低いアルバムだけど、
こうして今、フラットな耳で素直に聞き直すと非常に面白
い。ブライアンがタブラやシタールを使いインド音楽趣味
を曲によっては示すし、メロトロンの使用がプレ・プログ
レを予感させたり、ニッキー・ホプキンスがなかなか情感
あるピアノを弾いていたりと、興味は尽きない。
かういう筆者も持ってはいたけど、実は遠ざけていたよう
な典型的な作品だった。それでもこの『サタニック』から
モロッコの部族音楽を採集した『ジャジューカ』を聞いて
いくと、ブライアンの心の流れのようなものが見えてくる。
「2000億光年の彼方に」(2000 Light Years From Home)
の思い切りサイケなアレンジを再現してくれたのが、『ス
ティール・ホイールズ』ツアー(89~90年)に於いてのこ
と。私も東京ドーム公演でそれを目撃し、こんなにもいい
曲だったのかと認識を改めさせられた記憶がある。
その「2000億年」とあの美しく儚い「She‘s a Rainbow」
が収録されているだけでも、『サタニック』は聞く価値が
あると思うよ。ちなみにぼくはこのアルバムを聞くと、67
年夏に行われたモンタレー・ポップ・フェスティヴァルの
客席にガールフレンドと一緒にいたブライアンの姿を反射
的に思い出してしまう。
ああ、ブライアン、、、。
by obinborn | 2013-02-13 22:06 | rock'n roll | Comments(0)