大いなる勝利
タン・カウボーイズはフィドルやバンジョーをフューチャー
するなど表向きはカントリー音楽を標榜しているのだが、そ
れが騙し絵だと気が付くまでにそう時間はかからないだろう。
そんな彼らのライヴを24日は東中野のAjaにて。リフの進陟
やソロ・パートに於ける激しいインプロヴァイズド・プレイ
など、メンバー同志事前の打ち合わせは一切ないというスリ
リングな展開に息を呑んだ。そして最後にはリーダーである
ハル宮沢の果てしないロック心に思いを寄せずにはいられな
いのだった。
もう少し具体的に言えば多田葉子のアルト・サキソフォーン
(ときにクラリネット)、宮沢のトレモロアームを駆使した
ストラトキャスター、パパふんじゃらの電気ヴァイオリンと
、フロントにいる三者のリード演奏が重なり合い、ほぐれつ
つ熱を孕んでいくプレイは、サイケデリック・ロックそのも
のであり、一番いい時のホット・ツナやフェアポート・コン
べンションを思い起こさせるほど。
けっして器用とは言えない宮沢のヴォーカルがまたいい。こ
の男の極めてナイーブな心情が「The Water Is Wide」から
「見張塔からずっと」(All Arong The Watchtower)まで、
果てしなく21曲、ノンストップで続いていった。
昨夜感動的なライヴ・パフォーマンスを繰り広げたカウボーイ
ズだが、今日はここでハル宮沢氏のエフェクター・ボードをご
紹介しよう。彼ならではのサウンドを担うのはやはりラットだ
ろうか。しかもラットに関しては2種を組み合わせるという念
の入れようだ。ここぞ!という時に踏み込むクライベイビーも
むろんハルさんの”秘密兵器”として欠かせまい。
これらをトレモロ・アームを装着したストラトキャスターで鳴
らすのが彼の基本的なスタイルといっていいだろう。また最近
は見かけなくなった巻き形のシールドを使用するなどのこだわ
りも。ちなみに左上にあるのは「日の丸ではありません!」と
のこと(笑)
by obinborn | 2013-02-26 10:16 | rock'n roll | Comments(0)