ジェシー・ヒルの新たな凱旋

わっ!カッコイイ! ジャケット写真を見てほしい。街角に
立ってポーズをキメるジェシー・ヒルがいる。「まあ、こん
なもんさ!」とでも言っているのだろうか。

ヒルといえば代名詞的なヒット曲として誰もが60年の「Ooh
Poo Pah Doo」を思い浮かべるだろう。無伴奏からいきなり
「オ〜イエ〜!」のコーラスで始まる同曲は、インディアン
・チャントとの関連も指摘される通り、お祭り〜ノヴェルティ
路線を感じさせつつも、奥底にアフロ=アメリカンのダイナミ
ズムが息付くような生命力を感じさせるものだった。

もともとプロフェッサー・ロングヘアやヒューイ”ピアノ”スミ
スのバンドでドラムスを担当していた生粋のニューオーリンズ
っ子だけに、リズミックなものに対する触覚は人一倍敏感だっ
たのかもしれない。

そんなヒルもまた70年頃にはニューオーリンズからロスアン
ジェルスへと活動の拠点を移し、この『ナチュラリー』という
アルバムをブルー・サム・レーベルに残した。トミー・リピュ
ーマが興した同レーベルのソフト・ロック的なイメージとはま
るで似つかわしくないものの、これがジェシー・ヒル節全開の
大傑作となったのだ。

先に触れたドクター・ジョンの『イン・ザ・ライト・プレイス』
にも共作者として名を連ねていたヒルだが、やはり前述したロ
ニー・バロン作にプロデューサーとして関わっていたチャール
ズ・グリーンに本作のプロダクトを委ねている。そんな意味で
は『リヴァレンド・イーサー』とは時期的にも兄弟作のような
関係なのだろう。

ぼくが持っているLPにはプレイヤーのパーソネルが記されてい
ないのが残念だが、アルヴィン・ロビンソンやデヴィッド・ラ
スティといった50年代の仲間たちが参加しているらしい。音は
ずばり、濃ゆさ満載のニューオーリンズ・ファンク!これがLA
で録音されたというところに、時代が変化しても変わることの
ないニューオーリンズ音楽の生命力を感じる。

アルバムの冒頭とエンディングには何気なくインストゥルメン
タルが配されているのだが、そのエキゾチックで浮遊感のある
ピアノがアラン・トゥーサン風であるのはご愛嬌だろうか。時
折り挟まれるスティール・パンの鷹揚な響きもいい。

いずれにしてもジェシー・ヒルの堂々たる歌いっぷりが横溢す
るストリート・ミュージックの古典である。

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by obinborn | 2013-04-10 18:46 | one day i walk | Comments(0)  

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