弦と克

16日は弦克こと木下弦二と佐藤克彦のライヴを武蔵小山
のアゲインにて。

内気なジョアン・ジルベルトといった塩梅の「冬眠」か
ら始まり、震えるように季節と年月を噛み締めていくイ
ンスト「冬の便り」で本編を終える。アンコールでは商
店街から世界を見渡していく「昼休み」が、そっと奏で
られていく。そうした瞬間瞬間が愛おしくてたまらない。

商店街から世界を見渡すとは、果たしてどんなことだろ
う。それは重い鉛のように閉ざされたシャッターの現実
を見つめることであり、あんみつ屋が100均やコイン・ 
パーキングに変貌していくことへの諦観であり、そして
また中華そば屋のテレビが映し出すアラブ地方の戦火で
もあるだろう。

それらの場面を木下の歌が照らし出す。佐藤のラップ・
スティールやギターが歌の影絵へとなってそっと潜り込
む。小さなものや形になりにくいことに、この二人はい
つもそっと耳を傾けながら音楽を運び込んでいく。

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by obinborn | 2013-04-17 01:21 | 東京ローカル・ホンク | Comments(0)  

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