マディがやっと微笑んでくれた

あれは今年の2月頃だっただろうか。スワンプ・ポップの
いかした二人組、ロス・ロイヤル・フレイムズのヴォーカリ
スト氏とぼくは江古田のおし鳥にて、鍋を囲みつつ飲んでい
た。

やはり話はもっぱら音楽のこと。そのなかでもとくに盛り
上がったのが『ブルース・レコード・ガイドブック』(88
年7月にPヴァインより発売)にはお世話になりました〜!
とのハナシだった。当時はぼくもまだ20代後半であり、い
よいよ本格的にブラック・ミュージックにのめり込んでい
く時期だっただけに、このガイドブックはいわば羅針盤の
ような役割を果たした。

なかでも印象的だったのはテキサス&ウェスト・コースト・
ブルースの項目の次にシカゴ&デトロイト・ブルースの章
を設けたり、モダーン・ブルースとサザーン・ブルースを
対比させたりと、地域ごとの音の違いや現在と過去との時
系列を整理することで鮮明な音楽地図を描き出してくれた
こと。そこが好きだった。

むろん本書以前には『ブルースのすべて』(74年11月・
ニューミュージック・マガジン)と出会っていたし、そこ
での人名事典は未だ原稿を書く際に参考にさせて頂いたり
している。近年であれば小出さんのより詳細な『ブルース
CDガイド』などが便利な方々もいるだろう。それでもやは
り、個人史というかブルーズへの情熱が燃えてきた時期に
発売されたこの『ブルーズ・レコード・ガイドブック』に
は一番親しんだ書ならではの愛着がある。そうそう、当時
はPヴァインがチェス・レーベルの権利を獲得して、毎月ご
とにかなりの数のLPレコードをリイシューしていたっけ。
そんなことも十分な後押しとなったのだ。

アメリカン・ロックからシンガー・ソングライターへ。
西海岸サウンドから南部の深みへ。大まかにいえばそんな
音楽遍歴を重ねてきたぼくが、次なるステップとして選ん
だのはそんな多彩で魅力的なブルースとの出会いだった。

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by obinborn | 2013-05-05 08:05 | blues with me | Comments(0)  

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