フリー・フォーム・ギターの奔流

いやあ〜、どこまでも気持ち良くフリー・フォーム・
ギターを堪能した夜だった。恐らく殆ど決めごとなし
に進められたであろうsalmon bedとブギ奉行のツー・
マン・ライブを16日は荻窪のルースター・ノースサイ
ドにて。

先行のsalmon headはかのサーディン・ヘッドから
斉藤丈二(g)と小林武文(ds)が別プロジェクト的
に組んだコンビ。この二人が対話するかのように向き
合いながら柔らかい音の粒子を押し広げていく様にう
っとり。変拍子でじんわりと押していくグルーヴがあ
るから頭でっかちな印象はまったくないし、澄んだト
ーンとエフェクターを駆使した擬音との対比も鮮やか
であり、また詩的でもあった。

そんな繊細なsalmon headと対を成すが如く次に登場
したブギ奉行は、荒々しくヘヴィな音の塊を叩き付け
ていくパワー・トリオだ。斯界では有名なハル宮沢(
g)、秋山徹次(g)、植村昌弘(ds)はいずれも相当な実
力者であり、まるでキャプテン・ビーフハートのマジ
ック・バンドが憑依したような奔放さを示す。しかも
ソロ・ラインで勝負するのではなく、リフの大波小波
で変幻自在にインプロヴァイズしていくその音楽絵巻
はまさに圧巻だった。とくにアイ・コンタクトもせず
に1曲=50分の丁々発止をスリリングに刻み付けてい
く様には、さすがにキャリアが滲んでいた。

言葉ではなく、どこまでも音という絵の具を使って
見える世界を描写していくsalmon head とブギ奉行。
音楽の自由なあり方について思いを寄せることが出来
たこと。楽器の肉感に関して度肝を抜かれたこと。そ
んな意味でもあまりに美しく感動的な一夜であり、ガ
ルシアやマイルズもきっと天国から微笑んだことだろ
う。

写真は終演後に会話する斉藤丈二氏とハル宮沢氏。


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by obinborn | 2013-05-17 00:33 | one day i walk | Comments(0)  

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