若く勇敢なソウル、ヤング・ラスカルズ
ルズは、67年の1月に早くもセカンド・アルバム『Collecti
ons』を発表する。アトランティック・レーベル初の白人ア
ーティストとして66年にレコード・デビューした彼らは、ク
ラブ・バンド時代の名残りを留めるかのようにオリンピック
スのゴキゲンなR&B「Good Lovin'」をカバーし、自らのヴァ
ージョンも堂々とチャート・インさせていったが、この『
Collections』も彼らの愛するR&B曲(マーヴェレッツ、ミラ
クルズ、クリス・ケナーなど)とオリジナル曲の折衷といっ
た感じだ。
しかしやはり目を向けたいのはオリジナル曲の進境著しいソ
ングライティングだ。リーダーのフェリックス・キャヴァリ
エは本作で「What Is The Reason」「Lonely Too Long」
「Come On Up」「Love Is A Beautiful Thing」の4曲を
ときにエディ・ブルガッティと共作しながら書き進めている
が、それらすべてが今なおラスカルズ・クラシックスとして
愛されている秀逸なナンバーである。キャヴァリエのハモン
ド・オルガンやディノ・ダネリのドラムスはどこまでも奔放
であり、長い修行時代に培った転んでもただでは起きないぞ
的な逞しさを伺わせているし、そんな泥臭さとメロディの
輪郭が鮮やかな曲とが合体したところに、初期の彼らならで
はの魅力が溢れている。
本作からは「Lonely Too Long」が67年の2月に全米で16
位までに喰い込む健闘を見せたが、それ以上に重要なのは
イタリア系の白人である彼らがソウル・ミュージックに激し
く向こう見ずまでの情熱を寄せたことだろう。アメリカのな
かでのマイノリティ同士で共振する部分があったことは想像
に難くない。トム・ダウドやアリフ・マーディンといったア
トランティックの優秀なスタッフも、それに応えるが如く寄
与した。
彼らの才能は次作『Groovin'』で一気に開花するのだが、熱
い初期衝動を留めたファーストとこのセカンド・アルバム『
Collections』の2枚に格別の思いを抱く人は少なくないだろ
う。若く青い頃のソウル。未来が無限に広がっていくような
感覚。だから人々は今日もなおヤング・ラスカルズの名前を
呼ぶ。
by obinborn | 2013-07-23 18:42 | rock'n roll | Comments(2)
Chris Barber's Jazz Band/London, England, January 13, 1955
Chris Connor With Ralph Sharon's Orchestra/NYC, January 19, 1956
Bobby Darin (vocals) and others/NYC, January 24, 1958
The Tarriers (folk group)/NYC, February 25, 1960
Shel Silverstein (guitar, vocals)/NYC, January 9, 1963
The New World Singers (folk group)/NYC, March 22, 1963
Lennie Tristano (piano) Peter Ind (bass) Jeff Morton (drums)/Lennie Tristano's home studio, NYC, 1954-1955
このセッションはAtlantic LP 1224、Atlantic EP 569で聴けます。