終戦記念日に思う

終戦記念日に放映されたNHKスペシャル「激論!ニッポンの
平和」をとても興味深く観た。論客から市民まで左右老若に
よる対話や討論が行われていったが、その内容を正確にここ
に再現することは難しい。しかしながら憲法改正や軍備をめ
ぐってとりわけ若い世代ほど切迫した感情を持っていたこと
がぼくには印象的だった。どういう立場に立つのであれ、こ
のように活発な意見が交わされるのは危機感の裏返しである
だろうし、言論の場が今なお健全に保たれている証でもある
だろう。

例えば外交ジャーナリストの岡本行夫氏は言い放つ。「誰も
が反対するなかで日米安保条約を締結した岸首相(当時)が
いたからこそ、現在の日本の平和が守られているのではない
か」と。あれだけ学園闘争のネタになり反発された火種であ
る「安保」でさえ、見方を変えればこのような側面がくっき
りと立ち上がってくる。まだ戦争の傷跡が生々しかった時代
故に批准により米国の戦争に巻き込まれてしまう、という危
機感が当時の安保反対派およその意見だったけれども、今ご
く冷静に振り返ってみれば、戦後日本の平和を守ってきたの
が(現実面では)安保条約であったことがよく解る。(理念
としての)日本国憲法はいわば”背景画”のような誓約かもし
れない。

ぼくは以前も告白したように護憲の立場であり、また現在の
日本の右傾化には一定の危機感を持っているけれども、それ
でも一部の左翼の人々の”理想論”には首を傾げざるを得ない。
彼らは平気でノーニュークスと護憲(とくに9条)とを極め
て感情的に(ときに震災を含めて)セットにする。自衛隊の
存在にアレルギーを起こす。60年代的反体制にノスタルジー
を覚えるのは結構だが、それだけでは今の若い世代に届かな
い現実を少しは知って欲しい。自分自身が原発という文明の
利を享受してきたことにもっともっと痛みを感じて欲しい。
ただならぬ国際社会の断片を把握して欲しい。物事の両面を
同時に見て行くことの大切さ。それをぼくは先日も記した。
その気持ちの根っこにあるのは何だろう? そう、あの醜悪
な学園闘争の末路からぼくは何かを学び取っていったのであ
る。少しずつ、少しずつ。

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写真は69年の6月に新宿駅西口に集まったフォークゲリラ。
日大の汚職事件や安保闘争から始まった路上ムーブメントだ
ったが、その熱狂は長続きしなかった。
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by obinborn | 2013-08-16 20:18 | rock'n roll | Comments(0)  

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