ただ安打のために

「4,000本打つためには8,000回以上の悔しい思いをしている。
それに向き合ってきた事実は誇りです」日米通算の4,000本安
打を21日に達成したニューヨーク・ヤンキーズのイチローは、
自身のプロ野球生活22年をこう振り返った。オリックスでデ
ビューした92年の7月に初安打を放ってからは長い歳月が経
っていた。

思えばホームラン・バッターが重宝されがちなメジャー・リ
ーグにあって、コンパクトなショート・ヒッターとして才能
を開花させたイチローは新鮮に映った。シアトル・マリナー
ズという常勝ではない球団に時間を費やしたことにはさまざ
まな意見があるけれども、シャープな振りばかりでなく、俊
足を活かした盗塁も鮮やかだった。こと守備面を見てみれば
外野からの好返球は幾度も本塁へのランナーを刺している。
こうしたトータルな場面での俊敏さが、いわゆるイチローの
自画像となり、公的なイメージともしっかりと連なっていく。

個人的に印象深く刻まれているのが、かつて国民栄誉賞を辞
退したことだ。イチローの表向きの理由は「まだ発展途上」
という然るべきものだったが、この禁欲的な探求者にとって
”与えてやる”とでも言わんばかりの賞に匂いの違いをくっき
りと嗅ぎ分け、本能的な部分でノーという意志を叩き付けて
いたのかもしれない。そのぶん4,000本安打というのは理に
かなった、誰もが賞賛を惜しまない記録だろう。

「自分がライトに入った時に全体の絵としてきれいに収まる
のか。最近では数字よりもそんなことを考えています」
そんなイチローの記念安打にチームメイトが駆け寄り、彼を
祝した。

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by obinborn | 2013-08-23 20:33 | one day i walk | Comments(0)  

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