8月最後のホンク

「バンドはいつも最初に町に入って、一番最後にその町を後に
するんだよ」そんなヴァースがあるジャクソン・ブラウンの曲
を最初に耳にしたのはいつのことだっただろうか。準備はもち
ろん撤収作業まで当事者たちがやるべきことは沢山ある。まし
て日本各地をくまなく回っている音楽家たちの場合はそうだろ
う。彼らは最初に町に入り、時計が明日を刻む頃やっと楽器や
機材を車に詰め込み、また次の町へと向かう。

八月最後の日となった31日はオオルタイチ+ウタモと東京ロー
カル・ホンクにとってこの夏のツアー最終日となった。そんな
彼らの千秋楽を所沢のMOJOにて。例えばヤング・マーブル・
ジャイアンツのようにクールな音響を優しく届けるオオルたち
にホンクの人力の演奏が加わるだけで視界が広がっていくこと
を実感したし、逆にオオルたちがサンプリングを駆使しながら
独特の音楽絵画を淡いタッチで描き出す様も悪くない。

ホンクは「サンダル鳴らしの名人」のノンマイク・アカペラに
始まり、やはり素のままの「すんだこと」で終わるという構成
であり、その間に弾力あるエレクトリック・セットを挟んだが、
エレクトリックのバンド・サウンドでありながらも、どこか柔
らかくアコースティックな輪郭を失わない質感が鮮やか。この
日は久し振りの「おにぎりソング」を含めながら肉感的なコー
ラスや一切無駄のないバンド・サウンドを届け、長大なインプ
ロヴィゼーションが続く「カミナリ」にしても、一昨日の吉祥
寺での演奏と同じく新たなフレーズが盛り込まれ、バンドが生
きものであることを晴れ晴れと証明していく。

帰りの電車のなかでそんなことを反芻しつつ、いつの間にか9
月の声を聞く。明るい歌の悲しい響き。私はこれからもホンク            の音楽とともに日々を歩んでいくことだろう。

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by obinborn | 2013-09-01 05:47 | 東京ローカル・ホンク | Comments(0)  

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