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ココモの街に最初の雪が降る

英国圏にソウル好きがやたら多いのはKENTやACEなど再発レー
ベルの充実したリリースからも伝わってくるが、実演の方でも
優れたアーティストを多く輩出してきましたね。こと70年代の
メロウ・ファンクに限ってもAWBやゴンザレスそしてココモな
どが懐かしい。というわけでココモ75年のファースト・アルバ
ムを聞いています。この男女混成大編成バンドの強みはこのデ
ビュー作に限っても4人の専任ヴォーカリストがいて、それぞ
れの個性を曲ごとに色分けていること。裏ジャケットに「これ
はダイアンですあれはパディだよ」と詳細なパーノネルが記さ
ているのも、そういう部分を感じてねという配慮からだろう。

ファンクといっても本場のようにギトギトの体力勝負にならな
い部分はブラック・ミュージック好きには物足りないのだろう
けど、この端正なメロウ・ファンクを私は愛する。フランク・
コリンズが書いたバラード「Forever」にうっとりする他、グ
リース・バンドのファンとしてはニール・ハバードがものにし
たソウル古典「Anytime」とアラン・スペナーがソングライテ
ィングの才能を発揮した「I'm Sorry Babe」が続く辺りにぐっ
ときてしまう。カバーではみんなやっぱり好きなのね!といっ
た感じでボビー・ウーマックの長尺ファンク「I Can Underst
and It」が終盤を盛り上げ、最後はアレーサ・フランクリンの
名唱で知られる「Angel」が胸をそっと焦がしていく。

ちなみにグループ名はアリーサの「ココモの街に最初の雪が降
る」から名付けられたとか。そんな強く揺るぎない思いから彼
らは出発し、やがて英国屈指のライヴ・バンドへと成長してい
ったのだ。

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by obinborn | 2013-10-07 17:21 | one day i walk | Comments(0)  

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