釣りに良い日

これだけ愛されてきたアルバムも珍しいだろう。かつてのロック
喫茶ジェネレーションからCD世代まで、このルイジアナ出身の
男の肖像はどこまでも「のんびり、ゆっくり」というもの。そう
したイメージがある種の憧れとともに語られてきた。町のつまら           ぬ噂話はいささかうっとおしいけれど、西瓜でも食べながら、愛
犬とじゃれながら川面でも見つめていればそれでいいじゃん。そ
うしたささやかな知恵とか日々の営みをこれほど愛おしく伝える
作品もそうはないと思う。

いつだったか、スーマーさんが一曲めにI Must Be In A Good P
lace Nowを歌い始めた。彼は自分の日本語を噛み締めながらじ
っくりと歌っていく。ぼくは何の曲だったけなあ〜としばし探し
ながら、2コーラスめくらいになってやっとボビーの歌だったこ
とに思い当たる。ライヴ会場でのこういう体験は聞き手に過去と
現在との連なり、忘れていたかもしれない記憶を鮮やかに呼び醒           ます。ボビー・チャールズという男の独白が今日もなお、遠く離           れた町でも生きていることを実感するのは、いつも決まってそん
な時だ。

その歌はこう歌われていく。「ああ何ていい日なんだ。釣りには
ぴったりだね。山々に陽が沈んでいくのも見えるよ。そうしてぼ
くは過去のことや未来の何かに思いを寄せる。こうしてずっと、
きみといっしょにいたい」

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by obinborn | 2013-10-10 18:49 | one day i walk | Comments(0)  

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