Sweet Soul Music

ピーター・ギュラルニックやジョン・ブローベンあるいは
ロブ・ボウマンといった音楽評論家が一定の評価を得てい
るのは、自らの足で動き回りインタビューを取りながら他
ならぬ音楽家たちの声に耳を傾けているからだろう。そこ
には自説を主張したいがために歴史を改竄してしまうよう
な頑さは見られない。ジェリー・ウェクスラーの評伝やマ
スル・ショールズの映画が公開されようとしている今、改
めて”当事者たちの声”に触れることの出来るいい機会だと
思う。サザーン・ソウルが白人層に受け入れられるために
は多少の計算や取り引き(アトランティック・レコーズの
戦略も含めて)があったのだろうが、あまりそうした点ば
かりに固執すると肝心の音楽が霞んでしまうのではないだ
ろうか。

ぼくがいつも言っているのは、ある特定の音楽家がある日
突然オリジナルな表現を生み出したと考えるよりは、同じ
時代のミュージシャンたちが相互に影響し合い、互いに刺
激を受け合いながらシーンを築いていったと考えるほうが
遥かに自然だということ。例えばビル・ブラックス・コン
ボとブッカー・T&MG'sとの類似、あるいはMG’sがミータ
ーズに与えた影響、さらにはジョン・ボーナムがミーター
ズの大ファンだったこと。それらの流れから見えてくる共
通の基盤を大事にしたいと思う。

最後にドニー・フリッツが来日した時、筆者に話してくれ
たエピソードをご紹介しよう。「私はアーサー・アレキサ
ンダーと10代の頃から同じバンドにいた。そのことを快く
思わない連中も確かにいたさ。”一体黒人なんかと何をやっ
ているんだ!”って感じでね。でも私は気にも留めなかった。
私は言ってやったさ。”一緒にレコードを作るんだ!一緒に
音楽をやりたいのさ!”ってね」

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by obinborn | 2013-10-16 18:51 | one day i walk | Comments(0)  

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