11月の終わりとサンディ

久し振りにサンディ・デニーのBBC音源ボックス(07年)を聞き直した。素晴らしい。スタジオで録音されたものもあればコンサートを収録したライヴ音源もあるが、いずれも彼女のギターやピアノを伴った弾き語りだけに歌の骨格が浮かび上がってくる。リチャード・トンプソンのギターやデイヴ・マタックスのドラムスが陰影を加えたスタジオ・レコーディングもむろん価値あるものだが、たとえ一人になったとしても彼女だけの世界へと引き込んでしまうのがサンディならでは。

録音時期は71年から73年に集中しているが、なかには60年代終盤のソロ・パフォーマンスもあり、そこでの初々しい姿も感動を呼ぶ。Blackwater Sideのようなブリテン諸島の伝承歌もあれば、トム・パクストンのThe Last Thing On My Mindのようにアメリカのフォーク・ソングを取り上げたものもあるが、そうした英米の音楽に素材を求めつつも、オリジナルの名曲をたくさん生み出したことが何よりも彼女の功績だろう。

サンディが歌い始めた途端に周りの空気が張りつめる。イングランドの凍て付いた光景がふと立ち現れる。吐く息は白く、この小さな町が次第に閉じ込められていくことを思い知らされる。Late Novemberを聞きながら、私はこの冬のことを考え始めている。

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by obinborn | 2013-11-21 23:53 | one day i walk | Comments(0)  

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